第14話

「あ、あのっ」



「……」



声をかければ切れ長の鋭い目で私を捉えた




……怖い



雰囲気も私を捉えた瞳も冷たくて体が震える




「た、助けてくれてありがとう…ございました」




それでも、なんとか



お礼を言って頭を下げれた





「餓鬼がこんな時間に繁華街なんかにいるから襲われかけんだよ」



「…兄、の。忘れ物届けに来たから…」



お兄ちゃんよりも少し低い。



でもどこか甘く聞こえる声



冷たい目が私を捉えて、その甘くて低い声が鼓膜に触れた時




体の奥が…、震えた気がした






…それはきっと恐怖じゃない




また別の感情で…




体が震えたと同時に胸が微かに高鳴る

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