あの髑髏の唄が聴こえたら

@senbyo31

其の壱 怨ミ山

第1話

 怪談師の猫又と申します。

 普段は都内で怪異奇譚の収拾やら、怪談の真似事をして慎ましくも暮らしております。


 さて、本日はとある北陸地方の山に纏わる不思議な話をご紹介致します。どうぞ最後までお聴きください。

 

 この話の主人公、佐和田さんは地元の小さな映像制作会社に勤めております。専ら地域のテレビ局からの仕事を請け負っており、仕事は忙しいながらも田舎特有のゆったりとした空気感が性に合っておりまして。テレビ局との関係も良好であり充実した職場環境でありました。


 さて、そんなある日のこと、お昼の情報番組のコーナーで地元P市の魅力をランキング形式で紹介するという映像制作の仕事を受けることになりました。


 P市は県の南に位置する山間の小さな街ですが、自然が豊かで緩やかな山があることでハイキングコースとしても親しまれている土地でした。

 その番組には後輩の相間さんも参画することになり、二人でP市の取材に向かったのでした。

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