鳴兎のコラム

蝦夷鳴兎

第1話 女性がイケメンが好きな理由、男が美少女を好きな理由

女性がイケメンを好きなのは、イケメン補正があるから。


心理学的には美しいものというのは、他より優れているように認識させる心理作用が働くらしく、その心理作用によって美男美女は見えないところでどんな人であったとしても、優秀に見える。

ボロをださなければ、イケメンは賢く見えるし、他の人と同じことをしていても注目度が違う。

同じことができるフツメンやブサメンとイケメンが並んでいたとすると、特に理由がなければ、選ばれるのはイケメンになる。

そこに趣味趣向が加わるので世の中で絶対ではないものの、基本的な心理作用だけであればそうなるという話。


女性の恋愛は、たった1人の生涯のパートナーを探すことにある。

優秀な人ほど人気が高い。

イケメンは優秀に見える。


つまり、イケメンが好まれるのは、心理作用としては当たり前のこと。

ここは誰しもが念頭に置くべき基本的な世の中の仕組み。


自分に自信があるように振る舞うようにしていたローマ皇帝も、自分の美麗な彫刻を掘らせて広場に飾り、自分は美の神に愛されていると喧伝し人気を得た。

少なくとも、古代からずっとある普遍的な概念であると思っておいていい。



対して男はと言うと……

男性も美しいものに対して女性と同様に、他よりよく見える心理作用が働く。

しかし、美女よりも美少女が好き。

どういうことかと言うと、美しい上に若いのが良いとされる。

男性というのはHなことばかり考えてしまう人が女性より多い割合で存在する。

Hなことには体力が必要。若さは体力の塊。つまり、美しく若いのが良い。かなり単純な思考である。


若い男性に清楚系が人気がある理由も大体同じ理由になる。

清楚な人というのは穢れていないの裏返しで、手付かずをも意味している。

清楚は暗喩として美しく若いことが含まれる便利な言葉である。


男は基本、若ければ若い方がいいと思っている。若ければ体力があり、Hなことにも集中できる。

未熟で周りが見えていないか女性との接点があまりない男は、女性もHな事が大好きで、Hに積極的であるという誇大妄想を抱いている。

つまり、誰とでもしたいし、相手は自分のことをそういう対象としてみていると思いたがる。

残念なことに、世の中には未熟な男性に溢れている。

成熟した男性や視野の広い男性、女性との接点を長く持っている男性ならば、女性との関わりがないはずがなく、周りの女性との関わりの中から自ずと、女性はHに積極的なはずがないことが理解できる。

成熟した男性は、個々の女性の魅力を理解できる。誰でもいいということにはならないし、その魅力を理解した上で自分に振り向いて貰えるようにアプローチをかける時は入念で慎重にもなる。


積極的なはずがない、というのは、女性にはHなことはリスクが多いから、ということがある。


男性の場合、体内に何かが入ってくることはないし、実際ほとんどリスクのない快楽を得られる行為である。

しかし、女性は違うのでリスクの大きさが男性とは段違いになる。

その上、ミスで妊娠などしてしまったら、おろすのにも体に相当な悪影響があるし、産むとなっても約1年は自分と子供のコンディションを整えることにかかりきりになり、21世紀になっても出産は未だに死人の出る危険なものだ。産んだ後のその先も見据えて行動して行かなければならなくなる。

これ程のリスクに違いがあるので、女性はHに慎重にならざるおえないし、相手を見極めるのにも慎重さが必要になる。

その先まで考えてくれて、一緒になってくれる人じゃないと、普通はしない。

女性は人生の3割かそれ以上のリスクがかかってしまうのに対して、男性は1パーセントもないリスクでHができてしまう。

そういうアンバランスな生態なのだと理解が必要。



さて、その上でイケメンはイケメンでも、誰にでも手を出すイケメンが女性に好かれるかと言うと、そうでは無いことは皆さんも理解しているはず。

浮気とか不倫は、女性からすればどれだけイケメンでも許すことはできない最低な行為である。

そもそも、イケメンだからといってなんでも許される訳じゃない。

ボロが出てるイケメンはボロいところがないフツメンよりも価値が低い。

ブサメンは……ブサメンであることがそもそもボロだけど、ブサメンはブサメンでも化粧とかで化けるなら、化粧して着飾ることを意識的にできる男の方がモテるし、努力でカバーできる点が尊敬できるしまだ救いがある。

でも、ボロを出してるイケメンは、たぶん自分のボロに気づいてないので救いようもないし、顔だけなら他にいくらでもいてしまう。



男性の美少女好きに関しては、SNSを見ていると酷い有様になっているのを見掛ける。

30後半〜50代男性が20代女性を嫁に欲しいと言う現象には、本当に頭が痛くなる。

20代ということは、40〜50代の親御さんがいるということで、親世代の人を結婚対象に見る人は稀で、特殊な癖にあたる。

30後半もほぼアラフォーではあるのでそれほど違いはない。

統計的に生涯独身率が男性の方が高いのは、男性は50になっても子供を諦めない、いや、Hを諦めてないからかもしれない。

頭が痛い理由がこれだ。

普通に考えたら、恋愛は同世代でするのが価値観的にも合いやすく、結婚相談所の実績では7割は同世代婚らしい現状をみても、自分の半分の年齢に近ければ近いほど望みは減っていくし、半分以下ならありえない。

その上、平均寿命は男性の方が短いのだし、男性の方が若い方が末永く添い遂げられるから、ありなのでは?と思ったりもする。

女性が自分より若い男性とというのはその辺の価値観で納得できそうなものだけど、男性が若い女性を好むのは単なる子供がほしいとかいう建前の性欲しかなく、そういう考えが筒抜けなので頭が痛いという話。

おそらく日本は長く男社会を続けすぎたのだろう。

ひと昔前は権力的にも男性は若い女性を娶ることができたけど、今は違う。

そういう一昔前の感覚を引きずっているから現実があまり見えていないのだろう。



同世代にしか共感できないことは意外と多い。

学生時代はほとんどが同世代なので、社会に出てから共感できないことが一気に増えてくる。

その中で互いに支え合える関係を築くなら、同世代が最適であることは言うまでもない。

社会に出た20代女性が、自分の年齢に近い年の差を埋められるほど価値観の合う別の世代の独身男性がどれほどいるだろうか。

ほとんどいないし、身近にいるかと言われると、私の周りには1人もいない。



イケメンや美少女は若い頃の表面的な嗜好であって、最終的には誰しも老いていって価値観が変わっていく中で、何が本当に必要なのかを探すことになる。

価値観をかえるきっかけがない人やきっかけがあっても頑固で変わらなかった人はいつまでも若い頃の嗜好に囚われる。


最終的には女性は男性に対して、一途で誠実で思いやりがあり、価値観の共有がお互いに苦もなくできることを望む。

気兼ねせずに話し合える関係じゃなきゃ、その先に不安がある。

そもそも話を聞かない人というのは自分と一緒にいなくてもいいと言っているのと同じなので、別れた方がいいし、距離をとるべき相手だ。


男性は女性に対して、思いやりと癒しを求める。

昔と違い権力や金だけではなく、自分自身も相手にとっての癒しとなるように動けなければ、この先の世の中では通用しないし、見向きもされないということは覚えておいた方がいい。



上記は現実世界の話。

ただし、現実世界の話をフィクションの中で取り入れるのはあまりおすすめできない。

読者が見たいのは、現実ではない。

作品に求められるのは、エンターテインメントであって、ファンタジーや夢のようなものだ。

その世界観の中で合理的と思わせれば勝ちなのである。

視点を女性側だけの意見に染めたり、逆に男性側だけの意見に染めた方が、読者にはウケがいい。

その方が苦もなく読めるから気分が良くなれる。

夢の部分だけを抽出したものに惹かれる傾向にある。

女性目線で書かれた作品と男性目線で書かれた作品は、根本的にどちらかの性別からしか受け付けないような内容になる。

読んでくれる世代や価値観を意識してそうなっている。


そうしなければ読んでいられないという社会の病み具合も深刻化してきているのかもしれない。

あまり深く考えてはいけないのかもしれない。


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