第22話

「とばりぃ、おま、どんだけリバースしとんねん!!」


「22回。」


「それ絶対別のウノ使ってドーピングしとんやろ?!」 



 中からは楽しそうな声が聞こえてきて、使い古したようなソファに座る数人の男性がウノをしていた。



「ええか?!負けたやつ、女子校行って、次期非女ひめのスカウトいってもらうからな?!」


「俺は女子高よりも短大のがいいな~。」


「帷に行かせたら女の家行って帰ってこんのがオチやろ!」



 笑い声を響かせる集団と、そこから少し距離をおいた場所で、優雅に本を読んでいる男性がいる。



 どこもかしこも男性、男性、男性で。




「ねえ、連れてきたよ帷。」



 竜彦さんのその言葉で、一斉に視線がこちらに集中する。



 その瞬間、これだけ男性がいる中で、断とつに目立つ男性が中心にいて。



 赤黒い髪にブルーの瞳。



 周りにいる男性よりも小柄なのに、オーラがまるで違う。



「あの中心にいる男がうちのトップだよ。…黒江くろえとばり。」


「……とっぷ、とばり、さん。」


「君、絶対この"流星界りゅうせいかい"のこと何も知らないよね?」 


「…」


「知ってたら自分から"身代わりになる"なんて早々言わないからさ。」



 モニカさんがあれだけ怯えていた場所、それがこの、流星界…?



 こんな夜中に集まって騒いで、確かに普通の人達ではないのかもしれない。



 ···これが、不良という人種なのだろうか。

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