第4話

「たすけ、助けて!!!」


「あ、あの、どうされたんですか?!」


「お願いッ!!追われてるの!!!」


「…誰に?」


「私を殺そうとする奴らよ!!!」



 膝に手をつき乱れた呼吸の合間から必死に訴える彼女。


 髪の毛がプリンのような金髪で、目元はパープルのマスカラが取れたのかクマのようになっている。



「…ええと、」


「お願い助けてッ!!」



 ここがどこなのかと問う状況でもなく、今は彼女を落ち着かせることの方が重要なようで。



 今にも倒れ込みそうな彼女の腕を取り、その細い身体を支えた。



 助けるも何も今の私に何ができるというのか。そもそも彼女は何に追われているのか――――。



 身を潜められそうな場所を探す間もなく、あっという間に目の前が白い光で埋め尽くされていく。



 爆音と轟音が入り混じり、道路全体を振動させているのではないのかと思うほどの衝撃で。



「な、なに?!」

「やだ!!もう私は戻りたくないっ!!!」



 何が起こっているのか全く理解できない私と、私の後ろで挙動不審になる彼女。



 まばゆい光に細めていた目を少しずつ開いていく。

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