第2話

明るく単調な色合いながらも、広く平坦な道路に、ゴミ一つ落ちていない歩道。確かに私はさっきまで明るい時間、綺麗な開け放たれた場所にいたはず。



 でも今私がいるのは、暗闇の世界。



 ぼこぼこと段差のある道に、風に舞うチラシの数々。


 下ろされたシャッターには赤い文字で模様が描かれていて。


 お店のロゴマークとは違う、乱雑な落書きのような模様。



 今までの空気とは比べものにならないほど埃っぽくて、否応なしにむせてしまう。



「コホコホッ」



 臭いも独特で。



 お世辞にも綺麗とはいえないこの世界。 

 


 ここは一体、どこなのか――――

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