4と5と8と10の差
第20話
ねえ、そんなに私の返事を待ってるの?
そんなに私みたいな女とクリスマスイヴを過ごしたいと思ってるの?
やっぱり熟女嗜好なの?アブノーマルなの?
昨日の模擬面接では、桐生君の自己アピールよりも、不死原君のアピールのが勝っていたかもしれない。
でもあれをアピールと受け取っていいのかどうか。
桐生君の私のからかい方と、不死原君の私のからかい方があまりにも違う。まさか10個下にこんなにも翻弄されるとは思ってもみなかった。
こうやって平凡な日常の中で、ドキドキできるだけでもありがたいことだ。
そう、
「あ、いつもよりポテトサラダの量が多い。こういう小さなラッキーにも大きな有難みを感じるわ。」
「梨添さんて若い恰好のわりに、言う事だけはババ臭いですよね~。」
「…ありがとうございます。」
「褒めてませんよ?貶してるんですから、もっと女の圧みたいなの出してきてください。楽しくないじゃないですか。」
「もう私にはそんな気力もないのよ。」
"毎日の小さな幸せに感謝を込めて。”
おばあちゃんの老人ホームに貼られていたポスターに書かれていた言葉が、心の底から納得できるようになってしまった。
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