第18話

「…でも私は遊ぶ時間がほしいからさ。正職に就くと残業もあるし、忙しくて全然遊ぶ暇ないでしょ?だから適当に派遣やってんの。」


「遊ぶって梨添さんは何して遊ぶの~?ゲートボールとか?」


「麻雀。」


「……はあ?ちょい惜しいじゃん俺!」


はい積んで立直棒リーチぼう投げるのが私の癒しなの。」



ごめんね不死原君。本当はためらいなくピアノって答えるべきところなのに。


少しだけ後悔はある。


でもこれで少しは私に幻滅しただろうし。てか幻滅もなにも、最初からなんとも思われてないだろうけど。




「つまり梨添さんは、

"立直一発ツモ純全帯ヤオ二盃口ドラ4リッソクツモジュンタンリャンペードラフォー"の役満やくまんで上がることが出来ると?」


「ええ何そのセンスある数え役満!二盃口リャンペー?!」


「この間俺が上がった役満です。」


「いやあさすがだね!ピアノだけじゃなく麻雀のセンスもあるなんて!」



……って、麻雀、知ってるの?なんならやってるの??


え?そのピアノを滑らかに奏でる指で?麻雀牌ジャンパイつかんじゃってるの?


なにそれ、見たいじゃん!




「不死原君て、麻雀やるんだ…。」


「もちろん、大学生ですから。」

 

「…え?そうなの?」


「男子学生なら当然のたしなみですよ?」


「あ、俺はこないだ初めて不死原に教わったけどね~。」



そうなんだ。知らなかった。不死原君て麻雀も教えられるんだー!へえ~!


っていやいや学生の当然の嗜みだとしても、まさかピアノと麻雀両方やってるとか想像できると思う?

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