空気は読まないキス

第18話

ひな壇のような大教室。



スーツで授業を受ける鹿助ろくすけ君に、周りの女子は釘付け。



ヒソヒソ声を解読したところ、今日は髪型とスーツのお陰でいつもの2割増らしい。もう神レベルだって。



私から右斜め49度の位置に座る鹿助君が、周りをイケメン男子だけで囲んでいる。



あの同性ハーレムは、よく分かる。



自分と同等クラスの人種とつるめば、嫉妬を買うことが少ない。自分より見劣りする同性とつるめば、どうしても嫉妬されやすいのだ。



だから私も、自分と同じくらい可愛い男の娘といつも一緒にいる。



「ねえ百奈、下地変えた?なんかいつもより肌くすんで見えるよ?」


「えーウッソ。これいつもより高いやつなのに。」


「若いうちからあんま高いの使っちゃだめだって。肌を甘やかすだけだよ?」

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