第15話
「友達いらないの?グループでさ、一緒に海行ったりスノボ行ったり飲み行ったりしたくない?」
「………う…」
「薬学ってテストが受験並にシビアだから、テスト前の情報交換とかけっこう役立つよ?」
「…………」
「というか、もう俺らすでに公認?マチミちゃんにも寺道くんらにも付き合ってると思われてるし。」
「じゃあ、本命ができたらどうするの?」
「二人で神社に行って、お互い本命と上手く過ごせますようにって祈る。」
「なにそれ」
「神頼み。」
鹿助君はもうおにぎりを返してくれないらしい。鹿助君の手の中にすっぽり収まって、レンジの出番なくして温まっているに違いない。
面倒になった私が、今度は残りの昆布を取ろうとした。すると他のお客さんに取られてしまって。
瞬間的にね、今日の星座占いのラッキーアイテムが、出刃包丁とチェーンソーだったことを思い出したの。
鼻で笑いながら、私のほっぺをムニッと人差し指で押してくる隣のウザい男。ラッキーアイテムを使う時がきたかもしんない。
「岩下の新生姜、返してよ」
「クリチベーグルと、パンに合うカフェオレ付き」
「おにぎりに合うお茶は?」
「濃厚緑茶もつける。」
「…………」
「よし。決まり。今日から二人は恋人。」
鹿助君のお昼ご飯も合わせて、計1500円に軽減税率8%。内、私の恋人契約料含。
安い。安いし、乗せられやすい。
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