カリスマCAMPARIソーダ

由汰のらん

第1話

まだ雪の降らない、澄み渡る冬の空。



吐く吐息は白く、大きめストールをマフラー代わりにする私の顔が3分の1埋もれて、それはそれは可愛い。



電車の窓に映る自分が小首を傾げて、そうだねって賛同してくれてる。



ミディアムよりもちょっと長いくるりとした毛先が、ストールの間からあざとく出ていて。隠しきれないミケ猫のしっぽみたいで可愛い。 



後ろに立つスーツ姿のお兄さん。顔はよく見えないけど、スタイルよくって立ち姿がいいよいいよ君。



窓に映る私をさっきからずっと見ているの、私知ってるよ?だから朝からファンサービスしちゃう。



小さく手を振ってみれば、お兄さんが手すりを持ち直して小首を傾げた。




矛兎ほくとさん、ちょっといい?」


「あ、真智美まちみちゃん!おはよう〜」


「……え?私らっていつのまに友達?名前呼びされるような仲じゃないと思うんだけど、」


「馴れ馴れしかった?ごめんね!」

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