第4話

「けん…。

レースを何年もやって数百キロで走ってきたよね…。

それだけの速さで走ってると、脳が研ぎ澄まされるの…。

脳の伝達速度だって普通の人に比べたら何倍の速さで、神経に行き渡るんだよ…。

勿論、筋肉だってそうなんだよ…。

だからこうなる前にレースは辞めて欲しかったんだよ…。」





「倒れる前にも言ったけど全て分かってた…

でも、こんな姿になってみんなに心配掛けた事と迷惑掛けた事は初めて知ったよ…。

俺は、あの時自分の事しか考えてなかったから…。」





「それでも、けんは生かされたんだよ…。

みんなと哲くんにも感謝しないとね…。」






「うん…。」

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