第20話

一週間後…。




一般病棟に移り順調に回復していた…。




奈緒も暇さえあれば病室に来ていてくれた。




今日も昼から奈緒は来ると言っていた…。




ドアにノックの音が聞こえ…。




「はい。どうぞ…。」




ドアを開いた瞬間…




哲の姿があった…




「おぅ。哲…。

久しぶり。中に入れよ…。」




「よぅ。ケン…。

赤ちゃんが産まれたぞ…。」




「良かったな…。

無事に産まれてさ…

名前決めたのか?」




「充(みちる)って言うんだ…。

嬉しくてさ…。」




「みちるってことは男の子か…?

いいなぁ~!!

俺も、男の子が欲しいよ…。」




「ケン…。

充が小学生になったらピアノ教えてやって」




「なんで…!?」




「だって、ケンみたいにピアノ上手くなったらモテるだろ…。」




「なに!?

俺みたいにさせたいの…?」




「あぁ…。

そして、お前みたいに好きな女の子が出来たら、女の子を守れる強さをもって貰いたいんだ…。」




「そうか…。

わかったよ…。

退院したら、会わせろよ…?

幸実さんにおめでとうって伝えておいて」




「あぁ…。わかった

ケンも早く身体治せよ……」




「哲。ありがと…。」




哲は、赤ちゃんが出来てほんとに嬉しそうだった…。



俺も、早く赤ちゃんが欲しいと思った…。

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