第51話
ラトナ艦隊が廃墟の空を宛もなく彷徨う事数日、サンダルフォンがだだっ広い廃墟と海のエリアに青の連盟の信号をキャッチした。
この青の連盟はラトナ艦隊の数倍の規模を誇り、艦隊を円形に配置して内側に大きな街を形作っていた。
ザザザー〘こちらは青の連盟所属ロー・リシュオンの街の防衛隊長コップ大佐だ。この街になんのようだ?この地域には碌でもないゾンビしか居ねぇぞ?〙
ジージー〘こちらはナンバーズのナンバー8ブラッドとナンバー9ラトナの艦隊よ。ちょっと人材を探しに来たわ〙
ザザザー〘人材だ〜?そんなもんはこっちが欲しい位だぜ。せめて大量に湧いたイエローマーカーのNPC共を千人位兵士に出来たら楽なんだがよ〜。どこも人手が全く足りんし、このクッソ広いロー・リシュオンの街にもランカーとノービス合わせて1000人位しかスロートトルーパーは居ねぇ。俺なんてナンバーズの100番だぞ?そのギリギリナンバーズの末席にいる100番がよ、このクッソ広い街の警備と運営をしてるんだぜ?〙
ジージー〘イエローマーカーがNPC?アンタってイエローマーカーの事をNPCだと思ってんの?イエローマーカーを救護ボックスとか治療ボックスに入れたら使える人材になるんだけど?知らないわけ?〙
ザザザー〘あん?イエローマーカーのNPCはNPCだろ?救護ボックスってなんだ?治療ボックスってのも知らんぞ〙
ジージー〘オッケー、その辺の情報を渡す代わりにイエローマーカーの人材を多少貰うわよ。それで良いコップ大佐?〙
ザザザー〘お、人材が1人でも増えるなら、その提案に乗っても良いぜ。さすがにアンタの艦隊を全て受け入れる場所は無いが、1キロメートル級までの艦なら入れる場所がある。物資の補給が必要ならイエローマーカーにしっかりセルを払いな〙
ラトナはリクロー適当に造らせた1キロメートル級浮遊戦艦にシルヴァマキナ・ネクストリンク対応タイプと量産型のシルフを100機載せてコップ大佐との情報交換をした。
コップ大佐の技術力は、ほぼほぼ軍事力に振り分けられており、外の敵は倒せるが弾薬補給はイエローマーカーからの購入オンリーと非常にお粗末なモノである。
よくもここまで技術力の低い同盟が廃墟と海のエリアに来たもんだと感心しつつ、ラトナは最低限の治療ボックスの情報をコップ大佐に渡す。
コップ大佐が技術を解析する前に、ラトナはサンダルフォンの情報からネームドのイエローマーカーにあたりをつけて次々と勧誘という名の誘拐を敢行した。
イエローマーカーの誘拐が犯罪になるかはグレーゾーンであり、ゲームの世界では軽犯罪扱いで罰金を払えばレッドマーカーにはならない仕様だったが現在の状況では治療目的だと言ってしまえば問題なくイエローマーカーを誘拐可能であり、街の規模が半径40キロメートル有るロー・リシュオンではイエローマーカーの人口のほんの数十人で有る。
人材なので掘り出し物と云うのは適当では無いが、今回はナンバーズのナンバー7チックタックと88ターキーを配下に出来た。
チックタックは常に膨らんだ腹を出してるピザデブのアメリカの田舎のちょい悪オヤジみたいな見た目をしているが生粋の日本人らしく、同じく日本人のブラッドとは親交があったらしい。
ナンバー88のターキーは黒人のガリヒョロの子供だったが、何故かホプキンスとジャスミンに懐いている。
ターキーの中の人もアバターと同じくガリヒョロの子供らしく、運命の日に呆然としていた為にタクティカルアーマーに淘汰されたスロータートルーパーの一人だったようだ。
この2人の他にもトップクラスのランカーが20名程新規に加入したが、反乱の恐れもあり艦隊の安全性を優先する為に、タクティカルギアのトルーパーとしてホプキンス艦隊の前線の指揮を任せた。
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