第50話
タクティカルアーマー・ローテフリートの解体作業は困難を極める事となる。
昼夜問わず襲い掛かるゾンビの集団に、朝から夕方まではサンダルフォンのヘブンリーライトを照射出来るが、夜はヘブンリーライトを使え無いので、どうしてもレーザーやレールガン主体の戦いとなる。
一応、巨大なローテフリートの周りはガラス質の深い窪地になっているので普通のランナータイプの間抜けなゾンビ達は滑ってコケてこちらまで来れない。
しかし、巨大なパワー型ゾンビとマーモ・ルクンやセイメ・ルクン、トウベ・ルクンを使うゾンビ、巨大スローターギアゾンビはガラス質の窪地を抜けてこちらに来てしまうのだ。
ローテフリートの外殻部分には十分な数のキラーバレットアーミーアンツが配備され、空からの攻撃に対してはスローターアームズを配備して対応する。
1日、2日と時が経つ毎に増え続けるゾンビ達であったが、ヘブンリーライトの連続照射で凄まじい穴となった窪地に落ちては更にヘブンリーライトを照射され続けて焼け焦げていく。
「なあ、こんなのが何時まで続くんだ〜」
「とりあえず、ローテフリートのパーツの確保が優先だし、何時まで続くのかな?ねぇ、リクロー」
[現在、5日目で全体の1割にあたる主砲はアルヴァドーンに、4割をドック艦で新しい艦船に変えています。艦船の数は以前と同じ位の数と質にはなりましたが、物資や武器弾薬は多い方が良いので、残りの5割はシールド艦と補給艦などを造る予定です]
「だ、そうよ。ホプキンス」
「まあ、大型のスローターギアとタクティカルアーマーさえ来なけりゃレーザーで対応出来るしいっか。ハイメ、よろしくな」
[マスターホプキンス、ラトナ艦隊は360度監視中ですので安心して下さい]
[そうよ〜、またジーニーちゃんみたいな犠牲は絶対ゴメンだわ〜、私ジーニーちゃんとは良い友達だったの〜、絶対にジーニーちゃんを見つけて助けるわよ〜]
「バイセも頼むな!」
[任せといて〜ホプキンス☆]
更に5日の解体作業中に大挙して押し寄せたゾンビの数1億2000万、実に2000年代の日本の人口に届く数のゾンビを叩き潰し、焼き尽くしてローテフリートの素材を余す事なく使ったラトナ艦隊は失ったジーニーの艦隊を一時ブラッドとバイセに任せて運用する。
ランキングの低いランカーはアルヴァドーンの中にも居るにはいた。しかし、ジーニー程のランカーとなると全くと言っても過言ではない位の人材不足であり、本来は元ランカー最下位クラスのお調子者であるホプキンスが肉体強化されて2番艦、ナンバーズのナンバー8であるブラッドが3番艦を率いて4番艦は欠番しブラッドとバイセ預かりとなり、5番艦にはホプキンスと同じくランカー下位のジャスミンが艦長を務めている。
しかも、この期に及んでも、ラトナは救護ボックスに入れた元恋人で相棒だったナンバーズのナンバー10であるジョンソンを蘇生させる気はなく、元同盟のラトナとは色々と訳アリなランカー達も蘇生させる気は全くない。
人材不足に喘ぐラトナ艦隊は他のブルーマーカーを探して廃墟の地を宛もなく彷徨う事となる。
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