第30話
熱帯雨林地帯の手痛い洗礼を受けたラトナ・ホプキンス艦隊は高度を200メートルまで上げてバレットアンツの襲撃に備えた。
そして、考えついた対策は随行艦を一隻低高度で移動させ、敵が食いついた瞬間にエンジェルファックを放つ作戦で有る。
ヘブンリーライトは熱帯雨林の湿気の中では威力が半減するが一度試した。
結果は芳しく無く、ガラス質の大地に水が大量に流れるだけでなんの手応えも無かった。
それでも太陽エネルギーは無限なので照射を続けると、タクティカルアーマーの怒りを買ったのかタクティカルアーマー・ティタノボアと呼ばれる2キロメートル級の巨大なヘビの化け物が現れて交戦状態となる。
この手の敵にはレーザー系武器は効果が無い事を知っていたラトナ達はレールカノンで応戦し、リクローのスキュラ改、ホプキンスのキットゥールーを主軸にして遠距離からひたすら撃って撃って撃ちまくった。
ラトナのシルフィードは強酸ブレスを吐きながら襲い掛かって来るティタノボアの目や鼻先に大型レールカノンから何度も砲撃を繰り返す。
開戦から2時間ほどが経過すると、例のバレットアンツがティタノボアと連携してきた。
予め地上からは距離をとっていたアトラスは全力で要塞下部のレールカノンを撃ち続けてバレットアンツとティタノボアの攻撃を防いだ。
最終的にエンジェルファックを戦闘地域の外側6ケ所に落とす事により、敵のバレットアンツは沈黙し、ティタノボアは超高速戦闘を得意とするラトナのシルフィードの精密射撃と他の2機のタクティカルギアの一斉射を浴びて沈黙した。
大量のバレットアンツを手に入れたラトナ達であったがティタノボアが完全に沈黙したと勘違いしていた。
しかし、巨大なヘビ型タクティカルアーマーはまだ生きていた。
そして狂乱モードが起動して、長大な尾が平行に大地を凪ぐ、それだけで3500機のキラーアンツ改のほぼほぼ全てと倒したバレットアンツの身体がティタノボアの身体の内側に挟み込まれ、ホプキンスのキットゥールーも身動きがとれない状況となった。
「ち、なんだよコイツ、まだ生きてやがったのかよ!」
[ラトナ、キットゥールーの兵装がほぼほぼキラーアンツとバレットアンツの機体に押しつぶされています]
「リクロー!エンジェルティアーをティタノボアの頭に落として!」
[エンジェルアイズからの応答なし、エンジェルアイズとの回線がジャミングされています]
「リクロー、この機体シルフィードのレールカノンの出力最大値は?」
[最大値で1ギガワットです。ただし、一撃しか使えません。撃ったら直ぐに逃げないとナノバッテリーがエンジェルファック並みの爆発を起こします]
「オッケー、レールカノン最大出力放射!」
パリパリ!パリパリパリパリ!トゥッ…………ズドドドドドドォーーン!!ドドーーン!
「うわ~、まだ元気だねー。これでも喰らいな蛇野郎!」
ヴゥン!バチバチ……バチバチバチバチ!チュドドドオォォーーーーン!
[ラトナ、下にはホプキンスが]
「あ……」
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