第15話
ラトナ達が青の連盟からの依頼で見事に地雷を踏まされせられた頃、第2エリアのサバンナ地帯ではタクティカルアーマーのマザーアントに対し、同じくタクティカルアーマーのライガーがキラーアンツ達に襲い掛かっていた。
「おいおいおいおい、こいつはなんなんだよ」
「タクティカルアーマーとタクティカルアーマーのナワバリ争いじゃねえか?」
「でもよ、そんな事って有り得るのか?」
「今見てる光景はそうとしか見えないが…」
ジジジ…「観測班、現在の状況を報せ」
ザザザー「タクティカルアーマー・マザーアントとキラーアンツの大群にタクティカルアーマー・ライガーが攻撃を仕掛けています」
ジジジ…「観測班、安全ならばそのまま観測を継続せよ。危険な場合は逃げて構わん」
ザザザー「了解」
これはナワバリ争いと云うよりも、破壊不可能なまでに増えすぎたスローターギアサイズのキラーアンツを減らす事を目的としているらしく、それを観測していたブルーマーカー達も困惑している。
サバンナ地帯の最大拠点は青の連盟所属のサフ・リ・バーグで有る。
この拠点にはランカーのトップクラスで有るナンバーズのナンバー37トロイとナンバー98トライデントが守りを固めていた。
他にもランカー集団がいた為、難攻不落の拠点と思われていたが実はそうでもなく、マザーアントとキラーアンツの猛攻に押されて弾薬や物資が枯渇寸前で有る。
「トロイ、観測班からの連絡だ。マザーアントとキラーアンツの大群にタクティカルアーマーのライガーが攻撃しているようだ」
「あ?マジかトライデント。こっちはライガーとマザーアンツの挟み撃ちでヤバい状況じゃなかったか?」
「ああ、既にライガーはこちらへの道を逸れてマザーアントやキラーアンツに襲い掛かっているようだぞ」
そこにライガーがやってきて打つ手なしと思われた矢先、ライガーはサフ・リ・バーグから進路を逸れてマザーアントに突撃しては離脱、突撃しては離脱を繰り返してキラーアンツの数を次々と減らし、観測班に自らの攻撃方法や弱点を惜しげもなく晒していた。
ジジジ「観測班、現況を報せ」
ザザザー「タクティカルアーマー・ライガーによりキラーアンツは8割ほど減少、マザーアンツも損害有り、ライガーも損害を負って何処かへ消えました」
そうして半日ほど経過したサフ・リ・バーグ近郊のマザーアンツの拠点は半壊し、マザーアンツも手痛いダメージを負った。
ライガーはそこそこの数のキラーアンツのパーツを捕食すると、手負いのままサバンナ地帯の何処かへ去っていった。
「トロイ聞いたか?」
「ああ、今ならキラーアンツの素材に武器弾薬の補給が出来る。攻撃しよう!」
「では、指揮官として号令を頼む」
「全軍、マザーアントとキラーアンツに攻撃開始!」
ナンバーズ達はこの機に乗じてマザーアンツを攻め、破壊されていたキラーアンツの素材やパーツから無数の弾薬や物資を手に入れて手負いのマザーアンツ達を砂漠地帯へと追いやる事に成功する。
それが砂漠地帯の壊滅に繋がるとは知らずに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます