第14話

 戦闘終了、戦利品の確認を行う。


 護衛していた偽装キャラバンに関しては水やタンパク質にビタミン、ミネラルの他に早期にスローターギア9機で殲滅した為、新しくアンサラーと呼ばれる遠距離スナイパータイプで身体中のカスタムポイントにゴテゴテと装備を着けた細身の2足歩行のスローターギアを3機とセイメ・ルクン10着が手に入り、生命反応が消えた戦場に散乱した浮遊要塞や浮遊艦の残骸から、数機の浮遊艦を鹵獲し、半壊した浮遊要塞の各ユニットでその浮遊艦をカスタマイズし、ホプキンスは新しくサポートAIハイメとメルルーサという大型浮遊艦を手に入れた。


 ジョンソンはサポートAIニキと浮遊艦マッソーを各種ユニットや兵器でアップデートして巨大浮遊艦として運用、かなり厳つい兵器をコレでもか!という位には搭載する。


 そしてラトナは既に超巨大要塞アトラス持ちなのだが、各種ユニットが多くて困る事はないので食料保管庫やハンガー区画を増加、今回の戦いでスクラップ状態のスローターギアを掻き集めて超巨大要塞艦の縁に上半身のみを大量に配置して各サポートAIによる自動迎撃システムを再構築した。


 ここまで超巨大な要塞となると一つの町クラスで有るので、普段は今回鹵獲した巨大浮遊艦をスキュラやセミオート機体の母艦扱いして、必要時にはアトラスに格納する方法をとる事にする。


「ホプキンス、浮遊艦の調子はどう?」

「調子はバッチリなんだがよー。このサポートAIがアイーダを思い出す音声なんだよな」

❨マスターホプキンス、私の声はお嫌でしょうか?❩

「いや、ハイメ。お前が悪いんじゃねぇよ。俺が不甲斐ないせいで破壊されたアイーダ達を思い出しちまってな」

「まあ、タクティカルアーマーの大群に襲われたんだっけ?」

「ああ、大群のタクティカルアーマーだったぜ。しかもスローターギア大のアンツを無数に操るマザーアントって名前だった」

「マザーアント…厄介そうね」

「ああ、そいつが第2ステージのサバンナにいやがる。そしてジラーフにエレファント、ライガーなんて奴等がいて、俺っちが身を寄せてた同盟を粉々にしやがったんだ」

「うーん、ホプキンス。今の私達の戦力よりも上だと思う?」

「あー、それは無ぇな。今の俺達なら互角以上に戦える筈だ。ただな、マザーアントは話が別でな。純粋に弾薬が足りんわ」

「弾薬が足りない位の大群なのかい?」

「ああジョンソン。何千、下手すると万のスローターギア大のキラーアンツが襲って来ると思いねぇ」

「そいつはまた厄介だね」

「まあ、今回の襲撃でアトラスも2倍以上の大きさに膨れ上がったし、浮遊艦も幾つか手に入れたから大丈夫じゃない?なんならセミオートの浮遊艦に音響爆雷を積んで自爆特攻させれば良いしね」

「おま、なんて恐ろしい事考えやがるラトナ」

「まあ、ホプキンスの拾ったハイメとメルルーサみたいにサポートAIが機能してる浮遊艦は少ないし、サポートAIが機能してない浮遊艦は普通に弾薬庫代わりに使ってるからぶつけても良くない?」

「確かに、ラトナの浮遊要塞の大きさは異常だよな。既にダシタ・ワ・イライクラスの町の巨大さだし」

[ラトナ、新規搭載の浮遊艦は6隻有りますのでタクティカルアーマーへの自爆特攻は良い案ですね]


 ラトナ達は未だ見ぬ敵の対応策を練った。

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