第13話





男に視線を戻す。










「……ここは俺の部屋」



なるほど。



「……30階建てのマンションの30階だ」



なるほど。



「……この階は俺の部屋だけだから広いだけで、このマンション内の他室はもう少し狭い」



ほうほう。



「……なんで話さねぇお前に答えてんだよ、俺は」










男は頭を抱えて唸っている。

うおおおお〜とまるで漫画の文字がその頭上にあるかのような光景に、少し笑った。






「……俺の唸りがそんなに面白いか」







恨めしそうにこちらを見る男に、また少し、笑

えた。






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