【3】王立学園〜入学式前〜

〜休憩〜

「全くカスジョブじゃないんだが?」

「なんでなんすかね」

「なんならその上位神とやらを呼ぶってのは?」

「無理っす。オラリオ様は上位神で自分は下位神なので無理っす」


「んじゃ帰るわ。じゃあね〜」


自室に戻って

「あとは訓練あるのみだな!」

キツめのトレーニングをして行くぞ!


〜6年後:王立学園『シラガコ』〜


「ここが王立学園か。予想よりでっかいな。」

俺は16歳になり、王立学園に入学することになった。

父上には問題ないと言ったが「同世代の友達をつくりなさい。それも経験の一つだ」と押し通された。


他にも色んな生徒が入学するっぽいな。

ちなみに俺は父ではなく母の性を名乗っているため〔クロノ・ウィルソン〕ではなく

〔クロノ・ダズリュール〕と名乗っている。


なので貴族階級も下がって大公から伯爵となっている。

すっごい下がった。まぁ別にいけど


ん?なんかあっちで揉めてんなぁ。

行ってみるか。

ザワザワと人が集まっていて、中心で騒ぎが起こっているようだ。


「私の家族をバカにするなっ!!」

「バカにするも何も真実だろ〜。貴族殺しのライルオ男爵家、それが真実だろ。」

「このっ!」


怒りに任せて攻撃しようとしている。

まずいと思った俺は《施錠ロック》して動けなくした


「申し訳ないけど、争い事はやめましょうや」

「んだと。誰だよお前」

「初めまして私は伯爵家の〔クロノ・ダズリュール〕と言います。以後お見知り置きを」


「伯爵ごときが出張ってんじゃねぇよ。失せろ」

「それは無理な申し付けですね。これ以上は見てられませんから」


突っかかっていた貴族は公爵家だからだろうな。

金髪のイケメンで公爵家。横暴なのも何となく分かるけどさすがにやりすぎ感はある。


貴族殺しと言われていた女の子の方は赤髪の短髪で可愛い子。貴族殺しの噂が何とかって父上が言ってたような、言ってないような。


「伯爵家の分際で公爵家に楯突くとは。痛い目を見せてやる!見よ!俺様のジョブは『魔道士』だぁ《火球ファイアーボール》!!」


直径30cmくらいの火の玉が出た。

「危ない!!逃げてっ!」

と、赤髪の子が言ってきた。


確かに危ないな。床が焦げたら洗うの面倒だから

まぁ問題ないんだけど


「はい、おつかれさん。《解錠リリース》」

そう言うと火球が消えた。

原理は簡単。

施錠ロック》が固定する。

逆に《解錠リリース》は解放する。

だから火球という魔法そのものを解放したことで消滅した。


「なっ!!馬鹿な、ありえない」

「さてどうする?」

「ふんっ。今日は調子が悪かったようだ。運の良い奴め」

そう言ってどっか行ってしまった。


「ふぅ」

「あの助けて貰って置いて申し訳ないんだけど、私にかけた魔法といてくれない?」

「あ、やっべ。すまんな。《解錠リリース》」


「凄いです。ここまでお強いとは」

「改めてクロノ・ダズリュールだ。気兼ねにクロノでいい」

「私はリリィ・ライルオという。よろしく頼むクロノ殿」

「いやクロノでいいって」

「いえ、助けられた身ゆえ、これでも様付けせずに殿に抑えたのよ」

「ダメだ。これ以上殿を付けるならこっちだって様付けするぞ。あと敬語不要!」

「むっ、わかり、いえ、わかったわ。クロノ」


学園生活か、楽しみだな。

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魔王討伐?知らんな!〜勇者パーティー加入よりスローライフを望んでいます〜 猫助 @alsanfps

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