殺さない殺し屋
氷
第1話 学校で初めての出来事
黒春「今日の授業だるくね」
凪「そうか?俺は好きだが」
黒春「まじかよ。」
そう言って。今日の朝が始まる。
「おはよう」なんて、言う関係でもなく、
淡々と話して席に着く。
楽しい、、よりも、いつも通り。
蒼葉先生「はい。席ついて。」
蒼葉先生「今日、授業短縮ですので、時間を間違えないように」
教室中がざわめいた。
久しぶりの授業短縮。
俺は、そんな話などに興味を向けず、肘をついて窓の外を見る。
今日の天気は、曇りのうち雨。
傘を忘れたため、ずぶ濡れで家に帰ることになる。
蒼葉先生「静かに」
蒼葉先生「では、これで朝のホームルームを終わります」
それと同時にチャイムがなり、クラスの奴らは次の移動教室に向けて準備をし始めた。
俺はと言うと。
黒春「何見てんだ?」
そう言われて、ハッと気づく。
黒春「窓の外にはなんも無いぜ?w」
黒春「さっさと移動しようぜ!!」
凪「あぁ、、そうだな。」
俺らが最後に教室を出た。
忘れ物も無いし、今日も特に何も無い。
早く時間が過ぎ去るだろう。
適当に、授業を受けて終わろう。
今日は、部活もあるんだ。
そして、思っていた通りに、早く時は過ぎ去って。
いつの間にか、帰りのホームルームが始まっていた。
いつも通り、蒼葉先生「担任」が、話を始める。
蒼葉先生「明日は………」
そんな話。
すると、担任は、少し焦ったように興味深い話に入った。
蒼葉先生「今日は雷雨との予報なので、部活時間も変わります。」
蒼葉先生「各々、気をつけて帰る人は帰るように」
俺は、バッグを手に取り、その教室から一人で急いで出てきた。
はずだったのだが、
後ろから、少し走ってくるような足音と気配を感じ取った。
蒼葉先生「おい!!凪!」
凪「、、、?」
廊下を早足で来る担任に、俺は疑問の文字を浮かべた。
1人で大人しくでてきた。
提出物もちゃんとしてるし、忘れ物も無いし、怒られるようなことはしていない。
よって、担任に話しかけられる筋合いは無いのだが、
蒼葉先生「さっきの休み時間に、職員室で電話が掛かってきた。」
蒼葉先生「どうやら、向こうの人が凪に用があるって言っててな」
蒼葉先生「だから、少し来て」
そう言われて、担任は、俺の事を簡単と抜かし、前を歩いて職員室に向かった。
俺も置いていかれないようにその後を着いていく。
担任とは、会話を避けている。
嫌いとかでは無い。
でも、この日初めて。
蒼葉先生「部活どう?」
向かいながら、担任に話しかけられた。
そんな、雑談みたいな話はこれまでしたことが無い。
今まで、業務連絡みたいなことしか話してないため、俺は戸惑ってしまって、、
凪「、、え、?」
凪「あ、いや、別に、普通ですよ、」
変な文章になってしまう。
学校生活でこれは直したいところだ。
蒼葉先生「そう、」
と、軽く受け流して、職員室へと急いだ。
そして、今、窓の外から。
凪「「あ。」」
蒼葉先生「、、、雷、鳴ってきたな。」
蒼葉先生「早く行こうか」
突如、雷が鳴った。
結構、長く続いている。
どうやら上の階の奴らが騒ぎだしたらしい。
俺にも聞こえてくるほどのうるささだった。
放送「今日の部活は無しとなります。」
放送「素早く下校するように。」
放送が鳴った。
どうやら、部活が無くなったらしい。
やったー!
、、、失礼。
続々と、廊下を走って下駄箱に向かい急いで帰る生徒が見えた。
俺は、そんなヤツらを横目に、担任の後に続いて職員室に入っていった。
職員室には入ることを避けていたため、少しの職員と目が合う事に気まずい。
だが、雷の件も相まって、職員室には俺と担任しか居なくなった。
そして、担任に渡され受話器を受け取る。
すると、直ぐに。
「やっほ〜!!月ちゃん!!」
俺は、その声を聞くと同時にさっきまでの冷静さと少しの微笑みが無くなった。
それは、必ず担任にもバレていて、視線が痛かった。
だが、今の俺にはそんな担任を考えている暇なんかなくて。
凪「学校には、、、掛けてくるなと言ったはずだ。」
凪「何している。」
いつもの倍、低い声でその言葉を言い放った。
凪のそんな不機嫌そうな声を初めて聞いた。
普段、休み時間も大人しいため、会話はしたことがあまりなかった。
だけど、今、雰囲気が圧倒的に違うのだ。
受話器の向こうの声は聞こえないが、少し、女性の声がしたような、、
プライベートなことに首を突っ込むことは心外であるため、俺は、あまり会話は聞かないようにしていた。
だけど。
凪「ふざけるな!!!」
凪が叫んだ。
俺は、目を見開いた。
本当に、いつもの凪かと疑ってしまうほどに。
一体、何を話しているのだ。
今の凪は、とても、いつもの冷静さは微塵も感じられなかった。
そして、凪は少し落ち着いた。
凪「ふざけるな、、勝手なことを、、」
凪はそれでも少しイライラした様子で前髪を手で力任せにギュッと掴んだ。
凪「いい加減にしろよ、お前ら」
そして、凪は乱暴に話を終わらせた。
いつもの冷静が本当に嘘のようだった。
まだ、開いた口が塞がらない。
でも、、そんなことは裏腹に。
凪は、俺に向けて受話器を差し出し、、
凪「ありがとうございました。もう大丈夫です」
と微笑みかけた。
干渉するのもあまり良くは無いのだが、俺はやっぱり気になってしまっていて。
蒼葉先生「大丈夫か?」
俺は、そんな言葉に少し驚きながらも少し納得して、担任に受話器を渡しながら答えた。
凪「いえ、、全く、、」
やはり、表情に出ていたのかもしれない、担任に余計な心配をさせてしまった。
嫌われたかもしれないが、さっきの電話の内容がイラつきすぎて話にならない。
俺は、担任に挨拶をして、急いで職員室から出ていった。
凪「、、、」
途中の廊下で、、立ち止まった。
そして、力任せに廊下の壁を殴った。
ドン、、と大きな音がして、少しだけ、俺のストレスを発散させることが出来たかもしれない。
俺は、下駄箱から靴を取りだし、雨の音がする外へと急いで足を運ばせた。
とても、、濡れた。
帰り道、俺はそそくさと歩く。
何も考えずに、何も感じずに。
信号で、止まった。
すると。
水亜「おつかれ、!、凪!!」
誰かがいきなり、俺の上に傘を指した。
俺は、冷静に振り返って。
凪「ここで何してんの?」
水亜もおそらく学校帰りだろう。
バッグと、それから、買い物袋を持っていた。
水亜「夕飯の買い物でここ通ったら凪がぶず濡れで待ってるのが見えたからさ」
俺は、細目になってまた前の信号に向き合った。
とても、長かった。
水亜「凪、傘は?朝持って行かなかったの?」
凪「ああ、忘れた」
水亜「馬鹿だな〜、凪は〜」
少しドヤ顔をされてしまったため、今度から傘だけは忘れないと心に誓った。
そして、やっと信号が変わり、俺たちは家に向かった。
そして、家に着き、俺はいつものように2階に行って。
凪「ゲームやるから部屋に入ってくるなよ」
水亜「ハイハイ。ガンバってね。」
何だその言い方。と思ったが別にあんま気にならなかったので無視して2階の自分の部屋に入る。
そして、。
スマホの画面に映し出されているGPSが発信している場所を確認して。
屋上の窓を開け、俺は飛び降りた。
そして、何も無かったかのようにその道路をフードを被って歩いていく。
俺は、、ナイフを手で遊ばせて、その場所に向かった。
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