第7話 男を見下せ

 あたしのスカートの中を執拗に視姦するように視てくるエーロ。 


「あぁんっ……視るな、視る…なぁあぁぁんっ……」


 こんなにも恥ずかしいのに、視てって言うようにあたしは閉じていた脚を開いて、腰を前後に動かしちゃって。


 自分の淫らな姿を想像して、身体をくねらせて、喘いでしまって。

 太腿がガクガクと震える。脚を内股にして、恥じらう女の子って感じの姿勢になって。


 その間もずっとエーロの視線を感じる。


 スカートの中の薄い布が湿り気を帯びているのも分かる程に、熱を持って。


「うぅっんっ……はぁっ……は、はやく……んぅぅっ」


「はやく……なんじゃ?……まさか、触って、弄って、捏ね繰り回してとかではあるまいな?」


 甘える声でねだる言ってしまうと、エーロは淡々と言葉を紡いでくるけど、それが図星で。


 なんだか言葉で苛められている感覚は、刺激的であたしの何かを煽ってくる。


 その通りって言わせない意地悪な言葉が、気持ち良くて、気持ちをこんなにも昂らせて。


 ここから愛液が出てるんだよって知らせるくらいに一部分だけが色濃くなっているパンツ。


 そこを刺激して欲しいのに、言葉でまた色濃くしてしまっている事も分かるから、恥ずかしい。


 でも、恥ずかしいからこそ気持ち良い。


「っ……あぁ、あぁっ……んぅっ、はやく……はぁっ……出発……していって……」


 甘い声を漏らしながら、強がって。


 早く旅に出させてと言い替えるけど、こんな状況で今から盗賊退治なんて無理って分かってる。


 ううん、盗賊以前に、すれ違っただけの人に、あたしが発情しているってバレちゃう。

 

 ツンと尖って上を向いている乳首がジンジンとする。


 あたしは乳首が異常に弱いっていうか、敏感なのは知ってたけど、こうして視られているだけでも、頭が白くなってイきそうになるのだから、異性の視線に敏感なのだと思う。


 恥ずかしい場所を、恥ずかしい恰好を視られて、恥ずかしい声を聞かれたい。


 目的を果たすまで、これをずっと我慢しろって言うの?


 ――違う。


 我慢しないと目的は果たせないんだ。


 エーロの言葉が頭を過る。


『男を見下せ』


 その通りだと思う。


 ――でも……と思う。


 パンツを視られて、異性が見向きもしないなんて、何も見なかったようにスルーされるのもなんかヤだ。


 もちろん、視られる事は恥ずかしい。


 だけど、恥じらいたいもん。


『視えたかな?視られたかな?』


 って、ドキドキしたい。


 せっかく、あんなに短いスカートなのに。


 スカートの中なんて簡単に見られちゃう丈なのに。


『ほら、視て』


 なんて感じじゃなくて、視られたらスカートを手で押さえたい。


 隠したい。


『視られると恥ずかしい』って。


 本当に恥ずかしいんだから。


 パンツを視られて恥ずかしいって女の子なんだって意識したい。


『たかがパンツを視ただけで、何を盛ってるんだか』


 ――って、見下すふりをするのは、これからの事を考えると仕方ないって分かってるけど。

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