依存型恋愛

配信者

[野原行動参加型配信！]

野原行動！これは私もやっているゲームだ。100人でマッチングしてから5人のチーム別れてそのチームの誰かが最後まで残った人が勝利のゲーム。

……参加型配信行ってみようかな？

『わぁー檸檬さんいらっしゃい！初見さんかな？ゆっくりしていってね』

配信主の名前は『らすニャ@彼女募集中』という人だ。野原行動の他にも顔出し雑談配信をよくやっているらしい。

「……わ、すごいこの人最近出たばっかりのコラボ限定のアイテム持ってる」

野原行動はアニメのキャラクターとのコラボを良くするのだけど、中々コラボ限定のアイテムは出ないのだ。アバターを変える衣装からゲーム内でのアイテムをアニメ内の物にする事ができるアイテム。特別性能が高くなる訳では無いけど派手なエフェクトや特別な音声がつく。

『うわぁーやられちゃったぁ！仲間の人達頑張ってー！』

配信内ではリスナーの3人とVCを繋げながらやっているみたいだ。……野原行動は最大5人ですることができる。私も入れてもらえるだろうか？

<私も参加していいですか>

ついにコメントしてしまった。今までは見てるだけで直接コメントすることはなかったのに……

『おっ、檸檬さん参加希望？いいよいいよ！それじゃあコメントの所にフレンドIDを打ち込んで貰ってもいいかな？』

<1p1P4dn6a>

らすニャさんに言われた通りにフレンドIDを打ち込む。

『ん！ありがと檸檬さん！えーと……ゲームの方の名前はレモンティーさんでいいかな？』

<はい、大丈夫です>

『よし！それじゃあ早速レモンティーさんを入れてやるけど他の人もいいかな？あれ、檸檬さんとレモンティーさん、どっちで呼んだらいいんだろう？』

<檸檬でお願いします！>

『OK！檸檬さんよろしくねー』

<檸檬ちゃんがんばって！>

<ガンバ>

<(^0^)/>

「皆コメントで反応してくれてる……嬉しいな」

『あ、ところで檸檬さんVCとか繋げられる？』

「VC……！？」

いや、他の3人も繋げていたのだからこうなるのは当然の事なのに考えていなかった……

一応野原行動そのものにVC機能があるため他のアプリを利用する必要はないけど……それでも今までVC機能は利用したことはなかった。

『あれ、もしかして難しいかな？無理そうなら大丈夫だよ！』

良かった、無理にVCを繋げなくてもいいんだ。でも……他の人は皆VCを繋げてるのに私だけ違うのはなんか嫌だな。

それに顔と違って声なら大丈夫……だよね？

<VC大丈夫です>

『あ、本当ー？良かったぁ』

「―――すぅ……」

一呼吸を置いて私もVCを繋げる為に心を落ち着かせる。

「うん、大丈夫……」

「―――よろしくお願いします」

「檸檬ちゃんきたぁー！声可愛いねぇ！学生さんかな？」

「ちょっとらすニャさん、すぐナンパしないの」

「すぐなんて人聞き悪い！俺可愛いと思った子にしか言わないから！」

「ごめんね檸檬さん、らすニャってこういう人なんだ」

VCを繋げて喋ってみると可愛いと言われた。これは声の事だけど……学校で声を可愛いと言われたことなんてあった？

「全然大丈夫です！皆さんよろしくお願いします！」

「まって、檸檬ちゃん超いい子〜私も学生に戻りたい〜あれ、檸檬ちゃん学生だよね」

「はい！高校生です」

「お！華のJK！いいねぇ！俺もJKと付き合いたいなぁー」

……きっとお世辞だろうけど嬉しいな。

というか、らすニャさんって何歳なんだろう？顔出し配信を見る限り成人はしてそうだけど。

「ちなみにらすニャさんはいくつなんですか？」

「あ、気になっちゃう？実は俺もDKで―――」

<23歳>

<おじさんだから騙されちゃだめだよ！>

「ちょっとー！確かに23だけどおじさんでは無いよー」

「ふふっ……」

「あ！檸檬ちゃん笑った！酷いー」

「ふっ、ごめんなさい……、おかしくって」

「まぁ檸檬ちゃん可愛いから許すけどさー」

<檸檬ちゃん可愛い>

<らすニャそこ変われ>

らすニャさん……面白い人だなぁ。23歳ってことはきっと、社会人なんだよね？クラスの男の子と違って対応も大人っぽいし……

いいな。