第4話ー私の後追い物語


 暗く昏い景色に溺れる。

 溺れる私はバレリーナのように舞う。

 星空のカーテンに包まれ、宝を包み。

 

 あぁ……なんて儚いのだろう…………。

 まるで、映画のエンディングのようだ。

 きっと私は、このときの為に生まれた。

 

 短いようで長いエンディング。

 それが終わる頃には、綺麗な赤のバラが咲き乱れる。

 そうして私の舞台は、儚く美しく最期を彩られるの。


 その後はそうね、エンドロールも欲しいわね。

 エンドロールで私達家族の名前が、大きく載るの。

 まずは主役のママからで、次にパパで、最期に子ども。

 それを見てくれた観客は、きっと、拍手してくれるわ。

 私達みたいな幸せの家族になりたいって、そう言うの。

 ふふっ、そう思ったら私、早く会いたくなっちゃった。


「待っててね。貴方………………」


 暗く昏い景色に堕ちた私達。

 堕ちた私達はバレリーナのように舞った。

 星空のカーテンに包まれ、宝を包み込む。

 

 エンディングには、赤のバラが咲き乱れた。

 エンドロールには、三人の名前が刻まれた。

 そんな私達は、静かな夜へと飽和していた。

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