世界初のダンジョン配信者 目覚めたらダークエルフの美女にTSしていた件
コペルニあん
第1話 いつもの探索 そして異変
俺は、ダンジョン探索者の吉村
今日も、ダンジョンで探索をしている。
もう20年くらいはダンジョンに潜り続けていると思う。
しかし、ダンジョンの効果なのか分からないが、肉体的にはほとんど年を取っていないような気がする。
ダンジョンに潜り始めたきっかけは、両親が亡くなったという事実から現実逃避をしたくて自棄になったからだ。
この非現実的な空間で、いやなことを忘れてしまいたかったんだと思う。
現実逃避だけが理由であれば、何年もダンジョンに潜り続けることなく、地上にもどっていただろう。
しかし、どうやら俺は、ダンジョンに魅了されてしまったらしい。
今では、未知のエリアや美味しいモンスター、植物など、地上では味わえないスリルを味わうためにダンジョンに潜り続けている。
「そろそろ、食事にするか!」
ダンジョンの61階層で、大和は、さっき倒したモンスターの解体を始める。
ダンジョンのモンスターは、魔力のおかげで地上のモンスターとは違った旨みがあり、これを食べることが、ダンジョン生活の楽しみの一つでもあった。
「しかし、いくらモンスターが旨いといっても、そろそろ地上の調味料が恋しくなってきたな~。」
ダンジョン内の植物から、香辛料の代わりになる物を手に入れていたが、味やバリエーションの面で地上の調味料には適わない状態であった。
そして、モンスターの解体が終わり、血抜きを始めようとした。
そのとき。
ゴゴゴゴゴゴ・・・
(なんだ・・・?地震か・・・?)
地震大国日本では、よくあることだが今回の揺れ方はいつもと違うように感じた。
「っ!? 地形が変化している!?」
この階層は、遺跡エリアだったが、一部分だけ別の遺跡と混ざったような形に変化した。
また、周りの地形だけでなく気温も下がったように感じた。
(ここはどこだ?さっきまでと比べて、かなり雰囲気が変わったな・・・。)
(転移トラップを踏んだという訳じゃないと思うんだが・・・。)
そう考えながら、周辺を見回していると、突然声が聞こえ始めた。
『ーーーーーーーーーーーーーー』
突然ダンジョンの奥から、まるで念話のように頭の中に届く、美しい響きの女性の声だった。
「こんな階層で、女の人の声? 最近は人にもなかなか会わないくらい、奥に潜っていると思ってたんだけどなあ?」
今のところ、長い探索年数のアドバンテージで、このダンジョンではかなり攻略を進められている方だと自負していただけに、少し驚いていた。
(しかし、日本語じゃないのは間違いないとして、英語でもないような気がする。いったいどこの国の言葉なんだ?)
そう思いながら、何か新しい発見ができるのではないかとワクワクしていた大和は、とりあえず奥の方に歩を進めることにした。
『ーーーーーーーーーーーーーー』
(また声が聞こえたな・・・。あっちの方向か。)
再び女性の声が聞こえた、そのときーーー
「グワアアア!」
(しまった!気配に気づかなかった)
油断していた俺は、後ろから迫ってきているモンスターに気づくことが出来ず、ガードが遅れ、負傷してしまった。
(くそ!左腕を切断されたか・・・。かなり鋭い攻撃だな。)
(ヒールポーションは残り3瓶か。)
(かなり等級の高いポーションだが、やむを得ないか・・・)
大和は、アイテムボックスからヒールポーションを取り出し、傷口にかけた。
すると、傷口から腕が再生していき、すぐに元通りになった。
(しかし、今までに見たことのない系統のモンスターだな)
(それに、ただのユニークモンスターって訳でもなさそうだ。妖怪って言われた方がしっくりくるな。)
このダンジョンでは、ゴブリンやスライム、ドラゴンなどの系統のモンスターには遭遇したことはあった。
しかし、目の前にいるモンスターは今までのものとは異質の存在だった。
頭はサル、体はタヌキ、手足はトラ、尻尾はヘビのような形をしている、大型のモンスターだ。
そのモンスターは、日本で伝承されている妖怪の「
(腕の動きは大丈夫そうだ・・・。よし!いくか!)
そして、大和とユニークモンスターとの戦闘が始まった。
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