第19話:仲直りだよゼゼット。

ゼゼットは寒さでガタガタ震えていた。

短いスカートなんか履いてたから余計冷えたんだろう。


「まじ、寒くて、おしっこチビりそう」


「トイレに行ってきたらいいだろ?」

「すぐに風呂沸かしてやるから待ってろ・・・」


そう言うと真白は風呂を沸かしに行って、ゼゼットのために台所から

ホットミルクを持ってきてやった 」


「ほら、飲みな・・・少しは体、温まるから」


「ありがとうマー君・・」


「風呂に入って、体が温まったら、もう寝な」

「話したいことがあるかもしれないけど話はまた明日・・・今日は疲れたろ」


「俺は明日、学校だけどゼゼットのことが気になるから休むことにした 」

「明日には巫菜女ちゃんも帰って来るけど俺もいるから」


そして次の朝、巫菜女ちゃんから連絡があって、もう少し実家にいるって

ことだった。


「まあいいけど・・・特に困ることもないし・・・」


また、今日もゼゼットとふたりっきり。


チャンスですよ。

でも、こういうのは計算したり狙ったりしても上手くはいかないのです。

自然、なすがまま、そうなるときは何もしなくてもそうなるのです。


その日、真白はゼゼットのために学校を休んだ。

ゼゼットのことが気になってきっと授業なんか頭に入らないと思った。

昨夜、真白は自分の部屋のベッドでゼゼットに添い寝して寝た。


朝方、真白はよく眠っているシュシュを起こさないように先に起きて、

朝食の支度をした。


しばらくしてゼゼットが二階から目をこすりながら降りてきた。

やっぱり男物のパジャマを着てるシゼゼットはめちゃ可愛いと真白は思った。

まあ、だからゼゼットになかなかパジャマを買ってやらないのかも。


「おはようゼゼット・・・」


「おはよう、マー君・・・昨日はごめんね」


「もういいよ・・・お互い様・・・」

「謝らなくていいから・・・最初君を疑って優柔だった俺が悪いんだから 」

「けど、あんな状況見せられたら誰でも疑心暗鬼になっちゃうよ 」


「ただ私は悔しかっただけ・・・」

「マー君に信じてもらえなかったこともそうだけど最初っから全部話してたら

こんなことにならなかったのにって思って・・・」


「最初っから俺に話してたら、もっと信じなかったと思うけど」


ゼゼットが少しでも笑ってくれたら場が和むのになって真白は思った。


「ほんとににごめんね、心配かけて・・・」

「しつこいようだけど、今の私はマー君だけだからね」


「分かってるよ・・・」

「仲直りだよ、ゼゼット」


そう言って真白は少しかがむとゼゼットにチュッてキスした。


「ほら、朝飯できてるから・・・」

「って言っても、パンとスクランブルエッグにハム付きだけどな」


「じゃ〜今日のお昼は私が腕によりをかけて何か作ってあげる」


「料理したことないんだろ?」


「巫菜女ちゃんが持ってるレシピ見たら分かると思う・・・」


「大丈夫かな・・・心配だな・・・」


「じゃ〜一緒に作る?」


「いいね・・・俺も料理できないけど・・・」


ゼゼットは笑いたかったが、まだ笑い方がいまいちよく分からずにいた。


つづく。



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