才能無かったから、筋トレしてたら世界最強に!?2部
@kiti310161
第1話 とある王国で
「皇太子指名式の準備はどうだ?」
大きな椅子に座る王様っぽいおじさんが、段差下に膝まずく少し豪華な服を来たおじさんに言う。
「はっ!抜かりなく。」
「これで第一王子が皇太子となり、ゆくゆくは余の後を継ぐ。国の汚名も二年前に魔界に消えたしな。さすがに死んでるだろう。」
王様っぽいというか、王様がニヤリと笑う。
ここはクローバー王国の王城。
明日は、クローバー王国第一王子クリード・フォン・クローバーの皇太子指名式が行われる予定だった。
そして、クローバー王国国王ガイアス・フォン・クローバー。
ガイアスは、愚王という程の悪政はしていないものの、上級才能のある者を優遇し、それ以外の民に優しいという事もなかった。
クリードも父親に似て、そのタイプだった。
クリードの才能は、聖帝。
聖属性の魔法を操る最上級の才能で、勇者に並ぶとされている。
こんなクリードは、父親の上級才能至上主義の考えを教育され、下級才能を見下すようになっていった。
だが、聖帝の才能のクリードは優秀で、何をやらせても何でもできた。
政治、戦闘、外交何でもだ。
だが、クローバー王国の常識、優れた才能の者が低レベルの才能の者を支配するという考えを教育された結果、今のクリードを作り出した。
王族は、優れた才能を持って生まれてくる。
クリード以外の第二王子、第三王子、第一王女、第二王女もそうだ。
そして、アイビスタシアだけが違った。
アイビスタシアの才能「革命家」。
この才能は、秀でた能力を持ち優れている。
が、革命家の才能の意味は、現王政の打倒を意味すると言われている。
革命家の才能が出るのは、平民と言われ、王族から現れた事は無かった。
アイビスタシアが革命家の才能がある事が分かると、国王のガイアスは、娘が国を滅ぼす予兆だと感じ、王城の離れにアイビスを軟禁し、外には出さなかった。
アイビスタシアは、自分が王国を滅ぼすなんてあり得ないと、国の役に立てるよう勉強、武芸何でも学んだ。
だが、それが良くなかった。
努力するアイビスタシアの姿は、将来、国を打倒するための準備だと思われたのだ。
アイビスタシアは、王族なのに王城への出入りを禁止され、訪ねてくる家族も居なくなり、使用人も必要以上にアイビスと接する事は無かった。
だが、アイビスタシアは、いずれ自分が役に立つ時が来ると、離れで努力した。
それを見た国王の答えは、暗殺者をアイビスタシアに送りこむという非道なものだった。
暗殺者は下級才能の者であったおかげで、アイビスタシアは何とか暗殺者を退け、倒した。
アイビスタシアに暗殺者が送られたとの報告が国王にいく。
国王の答えは、
チッ、死ななかったか。
の一言。
アイビスタシアの心は砕けた。
父親が娘を殺そうとしている
私はこの国に居てはいけない
国を出るしかない
逃げないと殺される
アイビスタシアは、こうしてジョーカー連邦に亡命する事になる。
ガイアスは、アイビスタシアが生きたまま、国外に出てしまったため焦る。
革命家の才能が国外に出れば、いずれ国を滅ぼしに来ると。
だが、アイビスタシアは冒険者仲間と教会の十二神将に追われ、魔界に逃げたと話を聞いた。
そこに逆賊の拳王の才能を持つマリンと才能無しのクズのイースという平民もいたと聞いている。
逆賊の出身村は、王の命令で滅ぼされ、捕まえた女、子供は犯罪奴隷として売ったが、公にはなっていない。
しばらくは戻って来る可能性もあったが、アイビス達が消えて二年。
きっと、魔王に殺されたのだろう。
ガイアスは、このタイミングで第一王子の皇太子指名を行う事に合わせて、反乱を起こそうとしたと嘘をでっち上げ、逆賊のアイビスタシアが死んだと発表する事に決めたのだ。
王城の中は、盛大なパーティーを開く準備のため、バタバタしていた。
ガイアスは、第一王子の皇太子就任準備の様子を見て、ニヤニヤ笑う。
問題だったアイビスタシアも死に、全てがうまくいっていると思いながら。
皇太子指名式のパーティーには、他国の重鎮も招待しており、力が入る。
クローバー王国の力を示す絶好の機会なのだから。
ガイアスの思惑通り、事は進んでいき、皇太子指名式当日を迎える。
昼間のうちに指名式を終え、夜になると王城の迎賓館でパーティーが行われていた。
パーティーの主役のクリードには、自国他国の美しい貴族令嬢があいさつに来ていた。
クリードは、後々、この中の令嬢と婚約するのだろう。
パーティーは和やかに進む。
が、ある令嬢が
何か揺れてません?
の一言から異変が始まる。
最初、気づかない程度だった揺れは、次第に大きくなる。
クローバー王国近衛騎士団が守備体型をとり、一番前にはキセルを吹かすおじさん。
騎士総長ジェガン・クロスガード。
クローバー王国にいるXランクの騎士だった。
ガイアス「ジ、ジ、ジェガン!何事だ!?」
ジェガン「お客さんですよ。全く。やっぱり、こうなったか。」
ジェガンはため息をつくのだった。
才能無かったから、筋トレしてたら世界最強に!?2部 @kiti310161
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。才能無かったから、筋トレしてたら世界最強に!?2部の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます