賛成権
「えーわが国では...人の意見に賛成する権利として、賛成権を国民の皆様に与える。えーわが国の現状は、えーとても自分の意見を通すのみであるといえようという人間学者の佐伯国屋先生の言葉を用いて説明できよう。」
賛成権とそれに伴う法律が施行された。
「私の意見はイエスだ。」というものもいるだろう。つまり肯定をしている。しかし、この法律によって人々はあらぬ方向へと進み始めた。
~制憲南第三学校~
「今日から俺たちの意見に賛成してもらいまーすwww」とトップクラスに元気のある男子学生が言い放った。その言葉はまさに、賛成権の登場による統治を意味していた。賛成権とは、自分の意見をないものとし、他社の提案した意見に賛成する権利である。この場合の権利とは、絶対を意味していた。
男子学生の発言を皮切りに、空間の子女たちは3つの階級へと振り分けられることとなる。男子学生に従う者、賛成権の行使をした者たちは、上へ。その中でも特に目立ちたいという者は上へ。このことにより空間は事実上9つに振り分けられたことになる。下の下、最下層に位置する者は、むろん彼の意見に賛成していないわけではないが、自分の意見を持たぬ者たちであった。
9つの階級という物は、この制憲南第三学校に限った話ではない。常に意見を出し続ける者とそれに付き従う者。この構図がこの国において蔓延したということである。
~山成堂山権支社~
「わが社は山成堂グループの傘下であったが、本日その地位を脱却し、トップとなることとする。」と経営者が言い放った。子会社は支配下であるという考えは一般的であるが、それらの規則を破らんとした。その考えに対して、親会社の山成堂はこの発言に対し、賛成権を行使した。絶対的な支配関係にあったグループ企業は崩壊した。
賛成権にかかわる法規
他人の意見に賛成する権利。この権利は先に発言した者の意見のみが尊重される。なお、反対権は存在しない。
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