第5話
「ね、本当にどうしたの?言って?」
「んー…、さっき晴人が騒いでたんだけどさ…」
「うん…」
「来月、中学の同窓会行くの?」
「………え?」
これか!不機嫌な理由!!
さらに、「お前のとこ、同窓会多くね?」って、まだ二回目ですけど?
「まだ全然決めてないよ。お知らせが来たのは昨日だし、亜美が行くなら行こうかなって…」
「ふーん…」
「それに、こーちゃんが嫌なら、別に行かなくてもいいし…」
「行きたいなら、行けば?」
「それ本心?」
「……うん。元彼とかマジうぜぇ。わざわざ会う必要なくね?へらへら愛想笑いして何が楽しいんだよ…とか言うつもりはない」
「思い切り言ってるよね?」
「言ってないって。けど…、とりあえず、その猫、膝から下ろして?」
「なんで?」
「………オスじゃん」
「こっちの白い方はメスだよ?」
「そっちは俺に見向きもしない…」
「猫に当たらないでよ…」
自分も猫系のくせに。
切れ長の目も、柔らかい猫っ毛も。
気分屋で、つれない態度も。
ま、二人きりの時に、時々デレることにはあえて触れないけど。
そんなことを考えている私の前で閑宮は、不満げな顔つきで子猫達を見つめると……、
「白い方、大音ちゃんに似てね?」
「え、そう?どこが?」
「なんか…俺にあんま懐かないところと…、猫かぶってるとこ」
あれだよね…。
こっちもこっちで可愛すぎると思ってしまう。
「ふっ…猫にヤキモチ…」
「うっせ…」
「ふーん、そっかそっか…」
「違うって…」
「もう一回抱っこしたら?」
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