猫かぶってんの?

第1話



「可愛い〜♡」


「でしょでしょ〜?もう一目惚れしたの!」




閑宮の家に、もふもふの子猫が2匹やってきた。


とはいっても、それは今日のことで…。



   *

   *



突然掛かってきた閑宮のお姉さんの充希さんからの電話に出ると、




「華怜ちゃん、今からうちに来て?すっごく可愛いの!」




それはそれは本当に急なことで、何がなんだか分からないまま呼び出されて、今に至る…。



   *

   *



そんな経緯はともかくとして、白と茶色のニ匹はとても可愛い。


小さくて、ふわふわで、つぶらな瞳でこっちを見つめてミャアミャア鳴いていて、存在すべてが可愛すぎてどうにかなりそう。



そっと抱き上げ、手に絡みついて指をガブガブする子猫達を充希さんと可愛がっていると、閑宮が帰ってきた。




「あれ?大音ちゃん、来てたの?」


「うん。どこ行ってたの?」


「晴人の家」





今日も容姿端麗な私の彼氏様は、彼の親友、吉田晴人と絶好調に仲良くしていたらしい。




「何?……猫?」


「可愛いでしょ?今日から、家族よ」


「は、マジで飼うの?」




特別興味なさそうな口調とは裏腹に、早速やってきて触っているから、意外に猫好きなんだ…と新発見。




「やば、ふわふわじゃん」




茶色の方を抱きながら、『名前は何?』なんて、頬を緩めるからドキドキする…。



やばいよ、この笑顔…!!極上だよ…!!



猫を抱くだけで、芸術作品が格上げされるなんて聞いてない!!




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