廃課金ゲーマーの女子大生がガチャで爆死するたびに不服ながらお金持ちのお姉さんの家にメイドをしに行く話

@Amayayaya

第1話

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


つ、詰んだ……。

今月の生活詰んだ……。


たった今天井までお金をつぎ込んだばかりのガチャ画面を眺める。

画面の中央には私が求めていた水着衣装の『アリスちゃん』が鎮座していた。かわいい。


画面から目を離して、部屋を見回す。

カーテンを開けたままの窓に目を向ければ、外はもうすっかり暗くなっており、天井の電灯と一緒に反射した自分の姿が見えた。


…………死にたい。


なんで私はただの電子データに生活費の全てをつぎ込んでしまったのか……。


少し前の自分を振り返る。


・大学から帰宅

・期間限定イベント

・期間限定ガチャ(←ここですべてが狂った!!!!!)


今回のイベントでは毎年恒例となっている『水着衣装キャラ』が排出されるガチャが実装されており、昨年と同様に水着衣装に身を包んだ推しキャラを手に入れるためにガチャを回し始めたのだが……これが全然ダメだった。

貯めていた無料石を使い切り、まあこれだけあればいけるでしょと 1 万円分の課金石を購入。

しかし、出ない。

この時点で今月の 1 日 1 食生活は確定していたのだが、それでもあと 1 万円あればいけると思い、再度課金。

しかし、でないっ!

この時点で今月の真っ白ご飯(※もやし豆腐白米)生活が確定していたのだが、それでもここまでの課金額を考えると、諦めることなどできないっ……!

そして、さらに 1 万をつぎ込んだ結果は……


「~~~~っ!!!!」


また 1 万溶けた! 合計で 3 万溶けた!



……も、もうこうなったら出るまで引くしかないっ!!!


…………じゃないと、ただ 3 万を溶かした人になってしまうから。




その結果……天井に到達。

無事、目当てのキャラを引くことができた。わーい──


「私のばかああああああっっっ!!!なんで、なんでやめられないんだよっ!どうして生活費が底を突くまで課金してしまうんだよぉ~!」


大学生になって、クレカを手に入れてからというもの、課金を制御できなくなってしまった。

このままでは今度の引き落とし分が払えない……。


「もうこうなったら、あれをするしか……」


尊厳を捨て、この身体を捧げる以外にこの危機を乗り切る方法は残されていなかった。


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ピーンポーン


「──はい」


「こんにちは。本日はご主人様に雇っていただきたく伺いました」


「はい、お待ちしていました。上がってください」


門扉が解錠された音を聞き、それを押し開けて敷地内へと入る。

門を抜けてからは舗装された道が続いており、建物までは少し距離があった。

この土地の使い方から家主の裕福さが窺える。


しばらくして到着した建物の自動扉が開くと──


「あら、『メイド服入室オプション』はないのかしら?」


「そんなものはありません!!!」


なんだ『メイド服入室オプション』って。

私はそんな紳士向けデリバリーサービスみたいな事をしに来たわけではない。

そう私は──


「じゃあ、今日もよろしくね。まずはメイド服に着替えていらっしゃい」


私は、メイドをしに来たのだ!!!



……い、いかがわしくないよ?



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[あとがき]

みゅーん☆

趣味で小説を書いておりますアマヤと申します。

本作を楽しんでもらえましたら幸いです。

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