マネースクワッド ～剣と魔法の世界で、お金の力で生きていく～

第0章 はじまり

001.はじまりは「どんづまり」から。

これはいわゆる「プロローグ」というやつだ。そして俺という人生のエピローグでもある。

まぁおっさんの自分語りなんてSNSでやれよ、と言われるのは承知だが聞いてくれ。

御堂　京（ミドウ　キョウ）、36歳、元ブラック企業の営業職。中肉中背、の独身で、ただの無職だ。

人生のどん底がはじまったのはいつだったか？

親の期待に沿えず、いわゆる「私立お受験」に失敗したとき？

中学校で輪に入れず、いじめられて不登校になったとき？

学歴だけはつけようと底辺高校にいって、結局何も学ばなかったとき？

就職した先がブラック企業で、パワハラに耐えかねて辞めた時？

一人で飯を食っていくんだと副業をはじめて、上手くいかなかったとき？

人生逆転しようと消費者金融で借りた金で投資をして、全部溶かしたとき？

それとも、あれか。

「金を返せ！」と借金取りがチャイムを連打していて、息を殺してアパートの片隅で丸まっている今がまさにどん底なのか？

こうなった経緯は簡単だ。

ブラック企業の「気合い！」「根性！！」だけでなんとかなると思っている脳筋の営業業務に耐えられなくなって退職。

その後は「やっぱり時代は起業だ！！」と、何の責任も取ってくれないくせに無責任なインフルエンサーに踊らされて起業。

失敗したのは自分のせいだとしても安易な道を選んで社会のレールを踏み外した結果、借金をして投資。もちろんそんなもんが上手くいくはずもなく、今に至るってわけだ。我ながら救えねぇ・・・。

こうした経緯で消費者金融でかき集めた200万程の金は、投資マーケットという荒波に、豪華客船も真っ青な勢いで沈没して返す当てなどもなく、借金取りから身を縮こまらせているわけだ。

どうするかね、ほんと。