第9話 異世界を増殖“バグ”で生きていく

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↓「第1話」


 目が覚めると白い部屋にいた。


 というのは物語の始まりとしては些か使いまわされた、面白みの欠ける今更な表現ではあるが、紛れもなくここは純白の白い部屋だった。


 見渡す限りに何もなく、白すぎる余りにどこまで広がっているのか、あるいは思っているよりも狭いのかすら分からない。


 はてさて、と俺は頭を傾げる。


 こんな病的なまでに白い部屋にいる理由に思い当たる節がない。


 見渡す限りに扉のようなものは見えず、どうやってここに入ったのかも分からない。


 


 とりあえず俺は床に座る。


 部屋の間隔が酷く曖昧になり、今座っている床が平面か否かすら俺には判断がつかない。


 正直、目を開いていると頭がおかしくなりそうだ。


 歩いて出口を探すなど以ての外である。


 目を閉じ、俺はここへ至るまでの経緯を思い出そうとするが、さっぱり分からない。




 そんな状況から事態が好転? したのは体感で数時間は過ぎた後の事だった。




 眠るわけでもなく目を閉じていた俺の耳に、カツンと足音が響いた。


 目を開くと、暗闇に慣れた所為で白い景色が目に痛い。


 片目だけにダメージを分散し、目を開く事にする。




 俺の正面に、この場にそぐわぬ白いドレスを着た、淡い青色の髪色の少女が立っていた。




「あのぉ、大丈夫、ですか……?」




 少女は低姿勢で、こちらの顔色を伺うようにこちらを見つめてくる。


 なんというべきか思案して、俺は口を開いた。




「遅い!!」


「ひぃ!」




 俺の恨みが多分に含まれた言葉に、少女が悲鳴を上げる。


 小動物的な、庇護欲を煽るような反応だ。


 だがここは心を鬼にさせてもらおう。




「幾ら何でも遅すぎるだろう! こういうのは普通もっとスムーズに進むものじゃないのか?」


「ひぃ、すいませんすいません」




 土下座をしそうなほどの勢いで少女は謝る。


 ぐっ、流石に言い過ぎたか?


 いやこんな部屋で数時間待たされたのだ。


 クレームの一つも言わない事には気が済まない。




「じ、実は色々と立て込んでおりまして……。本当に申し訳ないです……」




 少女にも事情はあったのだろう。


 ほったらかしにされてそのまま、じゃないだけマシと思うか。




「それで、あんたは一体誰なんだ」




 俺の質問に、少女は躊躇いがちに答えた。




「えっと、一応女神です……」




 女神の部分を消え入りそうな声で答える。


 まぁ、だろうな。


 それが俺の感想だった。


 こんな訳の分からない場所にいるのだ。


 これで少女は研究者か医者で、俺は精神疾患を患ってる患者だとか、実験動物だとか言われたらどうしようかと思ったところだ。


 つまり俺は既に死んでいて、ここは死後の世界という事なのだろう。




「俺は死んでいるんだな」


「は、はい」




 躊躇いがちに、俺の言葉は肯定される。


 ショック、はあまりない。


 そもそも死んだ状況も覚えていないのだ。


 そうか、ぐらいしか思わない。




「それで、もしかしてここから天国とか地獄とかに行くのか?」


「い、いえ。そんな場所はないです……」




 ないんだ……。




「あなたには、あなたがいた世界とは異なる――異世界へ行ってもらいます」


「い、異世界?」




 思わず口に出してしまった。


 白い部屋だとか女神だとかで想像していたとはいえ、実際に言われるとおかしなことこの上ない。




「正気か?」


「な、なんで正気を疑われてるんでしょうか……」




 実は、と女神は説明をした。


 地球で死んだ人間は、一部を除いて各異世界へ飛ばされることになるらしい。


 飛ばされる、には二種類あり、肉体を生前と同じ状態で異世界へ行くパターンと、新しい肉体、いわゆる転生を行うパターンだ。


 俺の場合、転生になるらしい。


 理由を聞くと、俺の体は原型を留めないレベルで破損していると言われた。


 何があったんだと聞いたら事故に巻き込まれたのだという。


 想像して嫌な気分になった。


 また異世界に行くのに召喚という事もあるらしいのだが、それは女神を介さない為今回は当てはまらないらしい。




 なんだか小説や漫画で聞くような説明をされると、むずかゆくなってしまう。


 一応この自称女神が俺を騙そうとしている可能性を頭の片隅に置いておこう。




「それでですね、実はあなたが向かう世界には地球にはない概念があるんです」


「概念……魔法とか?」


「はい。魔法や魔術、あとスキルというものがあります」




 更に説明を受ける。


 魔法というのは、異世界に満ちるマナや体のマナを用いる事で森羅万象を引き起こすものらしく、発動には魔法陣というものを勉強しないといけないらしい。


 魔術、あるいは魔術具と呼ばれるものはいわば電化製品みたいなもので、電気ではなくマナで動く家電のようなものだという。


 なんとなく説明がついた。




 そしてスキル。


 これは個々人の才能や素質、そして努力が形として顕れたものだという。


 例えば剣を扱うスキルがあればより効率よく剣術が向上し、かつ自動的に最適化されるのだという。


 何とかスラッシュなんていうスキルがあれば、斬撃を飛ばしたりもできるらしい。


 これにも多くの場合マナを用いており、逆にいえばマナがなければ発動しないらしい。


 スキルの取得には条件があり、行動に従って増えたり、ふいに思いついたりと取得には色々と方法があるようだ。


 


 そして生まれ持ったスキルはどのようなスキルを手に入れるのか、それは女神にも分からないらしい。




「え? 分からないのか?」


「はい」




 即答された。




「えっと、こういう場合スキルをくれたりするんじゃないのか?」


「いえ、ずるはダメですからね」




 あぁ、そう。


 ダメなのか。


 正直、スキルとかなんか強いやつをくれる流れかと思ってた。


 つーことはこのまま俺は運ゲーで異世界に行くってこと?


 


「ちなみにその異世界に魔物とかっているのか?」


「魔物ですか? はい、たくさんいます」


「あ、たくさんいるのね……」


「毎年多くの人が魔物の被害にあってます。可哀そうですけど私にはどうする事も出来ないんです」




 悲しそうに言うが、そんな世界に俺を送るなと言いたい。


 いや、抗議しよう。


 運に任せてどんなスキルを手に入れるのか分からないのに、そんな恐ろしい世界になど行きとうない。




「悪いけど今回の」


「あすいません時間になりましたそれではご健闘をお祈りしております」




 俺が抗議しようとした瞬間、凄い早口で言うなり、俺の地面が光り出す。




「て、てめぇ!」


「頑張ってくださいね」




 最初の不安そうな表情から一転して穏やかな笑みを俺に送る女神。


 こ、こいつ……。


 きっと俺以外にも今の説明に文句を言ったやつがいたのだろう。


 俺の体はすぐに光に包まれる。




 そして――――





 俺は異世界に転生を果たした。


______________________________________

↓「第2話」

詐欺師の方が手心を加えてくれそうな手口で異世界に転生を果たして早4年。


 俺はこの世界で再び生を受けて4歳になっていた。


 その間に語るべき事は実はそんなにない。


 やたらと若い両親がいるだとか、家の周囲が信じられない程のド田舎、というか森の中だとかはあるが、この世界では普通なのだろうと納得している。


 夢の異世界、なんて事はなく。


 現実は非情なもので、生まれ変わった俺に待っていたのは過酷な労働だった。




 そう言ってしまえば何だか今の環境をよほど酷く思えるが、この世界では子どもは早いうちから家の手伝いをするのが普通らしく俺は3歳の頃から家の手伝いをすることになっていた。


 俺と同い年の子どもが同じく家の手伝いをしているのを見ているので、自分だけサボる事も出来ずに日々汗を流している。


 といっても大体の仕事は午前中に終わり、午後は自由な時間が多い。


 では周囲を森に囲われた、娯楽の欠片も見当たらないこの世界でやる事とは?




 答えは修行である。




「ぐっ」




 手にしていた木刀を弾き飛ばされ、俺は手に伝わる鈍い痛みに手を押さえる。


 俺の正面、同じく木刀を構えた少女が呆れたような表情を作っている。




「ほんとうにカイルって弱いよね」




 情けも容赦もなく、心が折れそうになるような事を平然と言われてしまう。


 まぁ一度や二度目でもなく、何度も言われているので耐えれるぐらいだ。


 正直、生前を含めれば大人な俺が4歳の子に弱いと言われるのは心に来る。


 しかし今は子どもとはいえ、中身は大人。


 大人の対応というものを見せてやろう。




「だー! 俺が弱いんじゃない!! スキルを使うのはずるいぞ!!」


「ずるいって、カイルも使えばいいじゃん」




 この小娘っ!


 俺は少女の言葉に苛立ちを隠そうともしない。


 この世界で生を受ける前、女神を名乗る少女に説明を受けた通り、この世界にはスキルというものがある。


 スキルは才能や素質、あるいは努力が目に見える形に現れたもので、個々人が確認することが出来る。


 俺も例外ではなく、俺は“ステータス”と口に出す、あるいは思い浮かべるだけで目の前にパソコンのウィンドウのようなものが出てくる。




 名前:カイル


 年齢:4歳


 スキル:増殖Lv3 家事Lv1 農業Lv2




 これが俺のスキルである。


 増殖というスキルが、俺が持って生まれたスキルだ。


 家事と農業は家の手伝いをしている中でいつの間にか増えていた。


 基本的に、家事と農業は要領が少し良くなっているだけで他に意味はない。




 つまり俺のスキルは増殖が一つのみ。


 増殖っていうのは、つまり増える事だ。


 俺はこのスキルを使えば、マナを消費して一つのものを二つに増やす事が出来る。


 対象が大きかったり、構造が複雑な程にマナの消費が増え、マナが足りなければスキルは発動しない。


 例えばその辺の小石程度であれば、一つを二つに出来るし、増やしたモノが消える事もない。




 それだけである。


 自分のスキルに気づいた時、俺は泣いた。


 魔物がいて危険の多い世界で、小石を増やせる程度のスキルでどうやって生き残れというのか。


 俺はあの女神を絶対に許さない所存である。


 


 そして俺を見たうえで、目の前の少女だ。


 彼女の名前はイリナ。


 年は俺と同じ4歳であり、燃えるように真っ赤な髪が特徴だ。


 狭い村の中同い年という事もあり、仲は悪くない。


 この修行もどきさえなければの話だが。




 それはともかく、彼女のスキル――才能の話だ。


 俺は以前、イリナのスキルを聞いている。


 スキルの事は仲の良い家族にさえ秘密にする事が多いらしいが、イリナは躊躇なく教えてくれた。




 名前:イリナ


 年齢:3歳


 スキル:剣術Lv5 剣豪Lv1 剣星Lv2 家事Lv1 膂力増加Lv3 スタミナ増加Lv3 




 俺がこれを聞いたのが一年前の話である。


 今は4歳。


 つまりこれよりも上がっている可能性が高いのだ。


 これを聞いた時、俺は涙を堪えるのに必死だった。




 あからさまな程の才能の差というのは、簡単に心を抉るのだと俺は知った。


 そして同じような修行をしてこれだけの差がついている事に絶望した。


 俺はどうやら才能に欠けているらしい。


 俺のような異物を受け入れてくれている両親に申し訳なくなってしまった。




 それでも腐らずにいるのは、俺の中身が文字通り4歳ではないからだろう。


 俺が本当に4歳でイリナの才能を知っていれば、家から二度と出ないだろう自信がある。




「世の中って本当に不平等だよな」


「いきなり何いってるの……」




 達観したような俺の顔を見て、イリナが引く。


 せめてこれぐらいは言わせてくれ。




 イリナは俺をサンドバックにするのに飽きたのか、素振りを始めた。


 俺はその辺の岩場に腰掛けてイリナの振る木刀の、恐ろしい風切り音を聞きながら目を閉じる。


 魔物がおり、治安もいいとは言えないこの世界で生きるのは難しい。


 魔物だけではなく盗賊、人間もまた脅威なのだ。


 どこまでも優しくない世界である。




「どうすっかな」




 なまじ才能が目に見えるだけに、努力が実を結ばないと嫌になる。


 イリナが凄まじく強くなる中、俺は変化がない。


 4歳なのだから、とは思ってもイリナも4歳だ。


 強くなりたいわけではないが、せめて生き残れるだけの強さが欲しいものである。




 人生は死んでからもままならないと、俺は眠りについた。


______________________________________

↓「第三話」


 更に一年が経過し、俺は5歳になった。


 その間に変わった事といえば、俺に弟が生まれたのだ。


 思えば先の人生、兄弟がいた覚えはないが、初めての弟である。


 今世の母は俺を産んだ時点で生前の俺より若い状態で、父も同じくかなり若い。


 命の危険が地球よりもかなり身近にあるせいか、その辺りはかなり早熟なんだろう。


 俺としては何だか想像したくないのでその辺は気にしない事にしている。




 俺のスキルはこの一年の間に、増殖のスキルは成長こそしたが、出来る事はそんなにない。


 増殖のスキルは一つの対象を二つに出来るスキルだ。


 せいぜいが木刀を増やしてイリナが使うぐらいだろう。


 不便なこともないし、便利といえば便利。


 ただそれだけだ。




 そしてこの一年の間に、ついに剣術レベル1を手に入れたのだ。


 スキルには熟練度のようなものがあり、レベルが一つ上がる事に習熟度が上がるようになっている。


 増殖のスキルもこの一年の間に小石から木刀を増やせる程度には上がっている。


 こっから努力すれば剣術スキルを上げる事も出来るだろう。




 3歳から木刀を振って2年近く経ってから剣術1とは悲しくなってきた。


 出てきただけありがたいと思おう。


 


 そして今日と今日とて俺とイリナはいつもの修行場――俺たちが住む村の近くの山近くの草原に来ている。


 俺に剣術スキルが現れたといえど、今のイリナは一年が経過したことで文字通りに手が付けられない程に強くなっている。


 最近では村の大人の中にもイリナに勝てるやつはおらず、無双っぷりを発揮している。


 当然俺程度が相手になるはずもないが、イリナも変わらず俺をここへ誘う。


 まぁ、村の中でも強すぎて孤立気味なイリナに関わる奴が他にいないというのもあるかもしれない。




「ねぇカイル、ちょっと森の中に行ってみない?」




 恐ろしい風切り音を立てていたイリナの素振りが終わった頃、イリナからそんな提案が出された。


 イリナが指差す先、日差しが遮られる森が見える。


 俺たち子どもは森の中に入る事は禁止されている。


 理由は単純、魔物が出るからだ。


 魔物というのはこの世界における生物であり、俺がゲームや漫画で見た事のある奴らが多い。


 いわゆるゴブリンとかオークとかだ。


 そして話を聞いた限り、他のゲームでは最弱扱いのゴブリンでさえ、この世界では戦闘スキルを持たない大人が苦戦する相手だという。


 村の外の森の中はそんな魔物が多く生息しており、俺たちが住む村では近くによってきた魔物を倒す為の戦士もいる。


 俺の父親もその一人だ。




「危ないからダメ」


「えー、ちょっとくらいいいじゃん。最近ちょっと退屈なんだよね。刺激が欲しいのよ!」




 まぁ、言わんとする事は分かる。


 娯楽のないこの世界は、退屈極まる。


 特に遊び盛りの子どもでは、毎日が同じことの繰り返しとなれば飽きるだろう。


 俺もまた、娯楽に溢れた日本にいた弊害か、退屈を常に感じている。


 まぁ増殖のスキルで出来る事が増えるのは、面白いけど。




「いいじゃん! いこう!」




 イリナが俺の手を引く。


 大人の筋力と遜色ないイリナの力に抗えるわけもなく、俺は森の中に引きずられることになる。


 まぁゴブリンとかならイリナの相手にはならないだろうから、いいか。


 怒られる時はイリナを売ろう。




 俺たちがいた草原から森の中に足を踏み入れると、すぐに空気の変化を感じた。


 湿気の影響か、空気がじめっとしており肌に纏わりつくような感じがある。


 森の中に入るのは初めてだが、日差しが高い木々に遮られ暗く、伸びる雑草や低い木の枝、木の根で足場も悪く視界も悪い。


 イリナが俺の手を握る力が強くなる。


 流石のイリナも緊張しているようだ。




「帰るか?」


「っ、まさかー。まだ入ったばっかだよ」




 強がってるのか、俺の手を握る力が更に強くなる。


 風の音に交じって、何かの音が聞こえてくる。


 それが魔物の声なのかどうかも判断はつかないが、怖がりながらも先導するイリナに連れ添って更に森の中に入っていく。




 今更だが、ゴブリン相手に木刀でどうにかなるのだろうか。


 まぁイリナの力なら素手でもどうにかなりそうではあるが。


 更に少し進んだ所で、イリナの足が止まる。


 遅れて、がさっと音がした。




「止まって」




 イリナが小さく声を発する。


 またがさっと音がした。


 明らかに何かがいる。


 自然と、イリナから手を放す。


 俺とイリナが木刀を構える。




『ギギギ』




 近くの茂みが動き、そこから何かが飛び出してきた。


 その瞬間、イリナが動き出す。


 上へ構えた木刀を飛び出してきた何かに合わせ、振り下ろす。


 イリナの木刀は飛び出してきた何かを捉え、地面にたたき落とす。


 鈍い音が響き、それは動かなくなっていた。


 俺は地面に倒れこんだモノを見る。




 俺らとそう変わらない、子どもサイズの体躯に、丸い頭、鋭く尖った形をした耳、不揃いの牙を持つ生物。


 初めて見たが、すぐに分かった。


 これがゴブリンだ。


 木刀ゆえに斬れてこそいないが、イリナの一撃は速やかにゴブリンの命を絶っているのが分かった。




「わっ、びっくりしたね」




 イリナがいう。


 命を絶った事に対する罪悪感なんていうものは存在しないようだ。


 たぶん俺もないのだろう。


 目の前で死んだこいつを可哀そうと思う事はない。




「一体だけのようだな」




 油断なく周囲を索敵するが、音はしない。


 こいつが一体だけでいたのか?


 恐らくそうではない。


 詳しく知るはずもないが、強くない生き物というのは一体では行動せず集団で行動する。


 その方が生存確率が上がるからだ。


 その上で一体ということは、こいつが集団からはぐれた奴か、あるいは斥候のような役割を担っていると考えるべきだろう。




「たぶん近くにゴブリンの集団がいるだろう。どうする?」


「え? そうなの。じゃあ! 倒しに行こう!」




 やっぱりそうなるか。


 まぁ今の一撃を見る限り、ゴブリン数体程度ではイリナが負ける事はないだろう。


 俺はもう一度ゴブリンを見る。




 名前:


 年齢:4か月


 スキル:生存本能Lv1 繁殖能力Lv1 




「え?」




 目の前にステータスが現れて、俺は声を漏らす。


 なんだこれ?


 俺のステータス、ではない。


 という事はゴブリンのステータスなのか?


 思わず、という形で目の前に現れたステータスを触ろうとする。


 当然目の前にあろうとそれは形のあるものではなく、通り過ぎるだけだ。


 だがスキルの部分に手が触れた瞬間、新たなウィンドウのようなものが現れた。


______________________________________

「第四話」以降は、こちらから!

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