間話① side那姫&狂藍

今日は驚くことが多い日だった。

特に転校生の存在が大きい。みんな普通に接しているけれど、ボクには近づけそうもないくらい眩しい。

あれこそ太陽のような人、陽キャとか言うんだろうね。

「ほんとうに……だ。」

ボクは誰もいない放課後の時、薄暗い路地裏で呟く。

普通の人間ならばキラキラした感想なんだろうけど、ボクは違う。

普通じゃないから。

「匂う…臭う…におうニオウ…。」

あぁ…彼女、金白 玉萌は。

である…とな。

しかも…ふむ、当時のモノとは別の存在というわけか。或いは、継いだということか。

何にせよ、ボクの警戒は怠らない。

今は晴明しんゆうがいるから大丈夫だろうけど、万が一暴走したら…。

その時は、ボクが◾️◾️。

しばらくは、様子見かな。

「頼んだよ、晴明、望。」

キミたちに委ねるしかないんだ。

祖先が九尾退治の伝説に出てくる『安倍 晴明と太公望』のそれぞれに最も近い血筋の子のキミたちならきっと。

再び表通りに出て、周りの生徒たちの流れに自然と入り込み帰路に着く。

狐はいつも騙すモノ。

果たしてそれは現代でも通用するのだろうか。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

場面は変わり、放課後の教室。

オレは彼を待っている。何やら用事があるって言って遅れているらしい。

いつもオレたちは一緒に帰ってるからちゃんと待つけど。

遅すぎる!

何で?かれこれ30分も待ってるよ。そんなに時間がかかる用事なの?それに……あの転校生。

なんかずっとハルくんのこと目で追ってたし。

ハルくんもハルくんで……。

わかってる。これが嫉妬だって。見た目はボーイッシュで喋り方もそうだけど…。

私は!女の子だーーー。

休日はこう見えても女の子っぽい服装で出歩いてるし。ハルくんに早く伝えたくてもいつもタイミング合わないし、なんか男の子の友情みたいになって戻れなくなってるきがする…。

喋り方は…なんか癖になった。元々は男の子にナンパされ続けたり、告白なんて何度もあってウンザリしてた時があった。

中学の頃だからスカート必須だった学校で男装できない。そこで見た目も喋り方も変えたら?と友達の鯛好 望に提案され、今に至る。

そう、望とは中学の頃からの付き合いがある。

なんか今思うとやっぱり男装やめとけば良かったって後悔してる。

恋を経験するなんて思わなかったし。

いつになれば彼は気づくのかな。

ハルくん…。

今日のアレは女の子にとってはブッ刺さりだよ。距離感バグは緊張しちゃうけど嬉しさの方が増していた。

「私だけにそう言うのはして欲しいな…。」

ボソッと呟く。誰もいない教室で1人たたずみながら…誰…も…。

「あ」

……………。

「キョウ…。」

「ハ、ハルくん!?」

やっぱタイミング悪い。何で私が彼のことを考える時に限って目の前にいるの。

「お前、等々恋をしたんだな…、僕は感激だよ。」

「この…アホンダラァァァ。」

ハルくんが涙を流しながら感動しているのに対し、私はただただ、肩を落として叫ぶことしかできなかった。

前に彼から言われた言葉をそのまま返そう。

『この鈍感野郎に恋は早いんじゃないのかな。』

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