カタストロフ。
未曾有の大災害でしょうか。破局を迎え荒廃した世界を少年は、『偽人』と呼ばれるアンドロイドの少女と共に生きる。
物資調達のために単独行動をする少年が見たもの感じたものとは……。
終末世界の無機質な空気を多く吸い込みながら、明かされるのは少年と少女の関係性。じわじわと輪郭が現れ、形作られる様が作中の探索場面と相まって、世界が鮮明になる感覚がたまりませんでした。
生きるとは。死ぬとは。
人と機械とが密接に描かれているからこそ、浮き彫りになるのは価値観のズレ。
そのリアルな温度差が悲しくも、愛おしく思えました。
素晴らしい作品をありがとうございました。