エピソード11

エコーワークスの次なるプロジェクト「TheWarGame」は、いよいよ壮大なスケールでのウォーゲームへと進化していた。メンバーたちは、これまでにない試みとして、ゲーム内で実際の通貨、特にビットコインを活用することを決意する。だが、このアイデアは多くの挑戦とリスクを含んでいた。


「ゲーム内通貨をビットコインで運用できれば、プレイヤーにとっては臨場感が増す」と円優は提案する。「でも、セキュリティの問題が大きいよな……」


円巴雨も慎重な表情でうなずいた。「だからこそ、防衛省や文部科学省のエンジニアたちが助けに入ってくれる。強固なセキュリティを引いて、サイバー攻撃からゲーム内経済を守る必要があるんだ。」


ここで助っ人として登場したのが、白金台伊鈴という若手のエンジニアだった。彼女は防衛省から推薦された一流の技術者であり、セキュリティに関しては豊富な知識を持っていた。彼女の指導のもと、ゲームサーバーには最新の暗号化技術が施され、ビットコインの取引が安全に行えるシステムが組み込まれていった。


さらに、このウォーゲームには現実的な経済システムが搭載される。各プレイヤーが担当する国は、戦争の勝敗だけでなく、経済的な持続性も考慮しなければならない。戦争を続けすぎれば国家が破綻し、資金が尽きてしまう危険があるため、軍事行動のバランスを見極めることが重要になる。


「核兵器は使わない方向でいく。リアリティが少し減るかもしれないけど、これでより戦略的な駆け引きが生まれると思う」と詩猫が決断を下す。「戦争に勝っても、経済が持たなければ負け。これがTheWarGameの新しいルールだ。」


こうして、エコーワークスの新しいゲームは、単なる戦争シミュレーションではなく、経済と軍事の複雑なバランスをプレイヤーに求める作品へと完成に近づいていく。

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