デイドリーム・レアルタ

ノア

第1話 歯車は回り始めた

 夜の帳が降りる頃……

……

…………

一人の少女は夜更かしをしていた。


 「はー、寝れね。キノプル物語のデイリーとっちめよ。」

 「……って待て待て待て!?虫の死体落ちて……なんだ、糸くずか。」


 彼女の名前は和紗かずさヨナカ。超絶低血圧で超絶ロングスリーパーで超絶文系であること以外は普通の学生だ。


_____


 翌朝。


 「ヨナカー!起きなさい〜。」

 「へいへい……今起きますよ……。」


 母の声で、ヨナカは目を覚ます。

 目覚ましはどうやら無意識のうちに止めていたようだ。日常茶飯事


 「はー……白米にはやはりソーセージよねよね。よねだけに。」


 そんな独り言を呟きながらヨナカは朝ごはんを食べ、登校の支度をする。


 「ほんじゃ、行ってきまーす。」


_____


 通学路。


 「あ、おはようヨナカちゃん。」


 そう優しく声をかけてくれるのはヨナカの友達、蘭輝乃らてのモカチだ。


 「んーっす、おはよ……ボクまだ眠いんだわ……。」

 「また夜更かししてたの?」

 「だって寝れねんだもん。」

 「それでまたキノプル物語のデイリーやって眠気おびき寄せる作戦失敗?」

 「うむ。」


_____


 教室。


 一人分の空き席がある以外は普通の教室。

 今日は数学の授業もあれば、理科の授業もある。

 ヨナカにとっては地獄だろう。


 「……ヨナカちゃん、フリーズしてるけど……」

 「証明問題とか分かんなくて……あんなん45°なら45°でーす。でトートロジーで引っ括めりゃいいのに!」


 そんなこんなで、放課後。


_____


 「あれま。」

 「可愛いぬいぐるみが落ちてら。」


 ヨナカは、帰宅路で見知らぬ可愛いぬいぐるみを拾う。

 バカ真面目なヨナカの事だ、多分交番にでも届け……


 『助けてくれてありがとう!』


 ぬいぐるみが喋った。


 「え?え?え?え?え?」

 「私理科と数学で頭やられて幻聴聴こえるようになった???」

 『幻聴じゃないよ。ちゃんと話を聞いてほしいな!』


 『あ、ぼくの名前はルーシャン。これから君の運命を導くモノさ。』


 その時ヨナカ達は知らなかった。

 数奇な運命が彼女たちを待ち受けていることを_____

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