第2話
10キロランニングを終えたら、次は体術と棒術、短剣術の型をそれぞれ行い、その後模擬戦を軽く行う。
「はぁはぁはぁ、よし!おーわりっ!おにいちゃん、きょう探索者協会でスキル貰えるの楽しみだね!」
「そうだな、だけどまずは魔物を倒さないとだな。」
探索者協会では、仮登録をし、その後ゲートで魔物を一定討伐してレベル(階位)が上がるとようやく本登録ができる。階位が上がると固有スキルという物が貰えるらしい。最初の階位が上がる時がめちゃくちゃ痛いと言われるのだが。ショック死する人も年に数十人いる。よくニュースで報道されるのだ。
「だけど痛いのは嫌だなぁー」
「母さんにボコられるほうがいやだろ」
「それもそうだね(笑)」
うちの母は現在探索者で、父は探索者協会で働いている。
「誰がボコっているって?」
「うわっ、びっくりした」
燃えているような赤髪の20代程の女性がおれの耳元で囁くように言った。いつも思うけど40歳超えているとは思えないな。妹を見るとニヤニヤしている。コイツ気付いていたな。
「お母さんおはよー!」
「おはよ」
「ミナト、レイおはよう!朝ごはんはお父さんが作ってるから風呂入ってきな!」
ニヒルな笑顔でそう言ってくる。
「「はーい」」
ふつうの一般家庭では逆では?と思いながら母さんの言葉に従って家に戻っていく。
ゲートが現れてから、男女の差は無いにも等しい世の中になっているのだ。肉体的にも、社会的にも。それはうちの母、十条茜(じゅうじょう あかね)による活躍によるのも大きい。閑話休題。
ぶるりと背筋を震わせながら、風呂場に入っていく。
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