第16話
マルクとルークはナート男爵家の屋敷に無事戻った。
屋敷に戻るとサナが出迎えてくれた。
「2人ともお帰りなさい。なんか色々とあったみたいね。」
「あぁ、カムリ男爵に殺されかけたよ…でも、何とか無事に戻ってこれた。神に感謝しなければな…」
マルクはそう言った。あえてリル公爵の関与については口にしなかった。
「サナ、これからは旧カムリ男爵領も我が家が治めなければならなくなった。忙しくなるぞ。」
「うん、そうね。でも我が家にはルークがいるわ。きっと大丈夫よ。」
サナがらそう言うと2人でルークを見つめる。
「父様、母様、大きくなったナート男爵家をよりもり立てていきましょう!」
ルークは力強く決意を示した。
______________________________
翌日、ルークは新たな事業に動き出した。
「マカドゥ、領都で大きな土地ってあるかな?」
ルークは土地を探していたのだ。
それもかなり広大である。
「広い土地ですか…それなら少し中心部から外れますが、東の方にかなり広い空き地があります。」
「おぉ、いいね。その土地を買いたい。」
「えっ、かなり唐突ですね。ルーク様、どのように活用されるのですか??」
マカドゥは突然広大な土地を買うルークを不思議に思う。
「次の事業は行政だよ。」
「行政?ですか?」
マカドゥは不思議に思う。
この世界では行政にあたるのが各領主である。しかし、領主だけでは限界がある。
「今、父様が1人で行っているこの領地の事業、管理をする役所を作ろうと思うんだ。」
「役所ですか…」
「役所ができれば今までよりも良知の運営が進み、より豊かになっていくと思うんだ。」
「なるほど、私にはまだよく理解出来ていませんがとても凄そうです。」
マカドゥは途中で考えることをやめた。
「とりあえず、まずは庁舎を作るところ始めなきゃね!マカドゥは庁舎の建設に向けて動き出してほしい。職人を集めておいて!僕は父様に新事業を説明してくるから!」
「しょ、承知しました!」
マカドゥは直ぐに動き出した。
そしてルークはマルクの執務室を訪ねた。
「父様、新事業についてお話があります。」
「もう、新事業か!つい最近カフェが動き出したばかりだろ…」
マルクは少し呆れ顔でルークを見る。
「ちなみに次の事業は父様の業務を大きく助けるものになります。」
「なんと、私の助けだと!」
マルクは自分の助けになるものと聞き、耳を傾ける。
「次の事業は役所です。父様が1人で行っている業務を各部署が手分けして業務を行います。これにより、父様は自由に動くことができます。そうなれば他の領との交渉など今までできなかったことができるようになります。」
「なるほど、良いことしかないな。だが、かなり費用がかかるだろう。」
「そこはご心配なく。必要な費用は全てハンバーガー店とカフェの売上で賄います。」
「なんと!」
マルクは大きな声で驚く。
「そんなに儲かってるのか!?」
なんとハンバーガー店とカフェの噂により、他領からナート男爵領を訪れる人がかなり増えていた。そのため、売上は倍増。ルークがリル公爵領から戻ってきてマカドゥから報告を受けた時はかなり驚いた。
「そうか…ならばルークに全て任せる。よろしく頼むぞ。」
「はい、父様!」
こうしてルークはマルクから役所計画の許可を得た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。