第4話
マルクから正式に許可が出たことにより、ルークは早速、大通りの元・花屋の空き店舗を地権者から購入した。
購入金額は300万リン。300万リンは前世の日本円で言う300万円。幸いなことにこの世界のお金の価値は前世とほぼ同じである。
ちなみに300万リンはこのナート領の土地・物件では最高値である。
「なかなかいい物件だな。」
ルークは物件を見てそう思った。建物自体は築10年ほど。かなり綺麗な状態を保たれていた。
3階建てであり、1階が店舗、2階は倉庫、3階は事務所といったつくりである。
「ルーク様、一体どういった店舗を作られるのですか?」
ルークは後ろから声をかけられる。声をかけてきたのはルークの執事兼従者であるマカドゥである。マカドゥは20歳であり、身長がとても高い。ちなみにマカドゥの父はマルクの執事を務めている。
「マカドゥ、我々はまず多くの人を集め、ひと月で黒字を達成しなければならない。それを達成出来る物件はひとつ。」
「話題になるのは飲食店?ですかね?」
「うん、そう飲食店!でもただの飲食店ではないんだ。持ち帰り専門で比較的に低価格なものを提供するお店にしたいんだ。」
「なるほど!ちなみにどんな料理なんですか??」
「それは…ハンバーガーです!」
ルークは高らかに宣言する。
そうお店で提供するのはハンバーガーである。
前世の世界では多くのチェーン店があり人々に親しまれていた。ちなみに今のこの世界ではパンは存在するが、前世みたいに多くの種類がある訳ではなかった。
すなわちハンバーガーもこの世界では存在していなかった。そのため作りやすさもあるハンバーガーをルークは選択した。
「ルーク様、ハンバーガーとは一体…」
マカドゥはハンバーガーのことを知らないため頭に?マークをうかべる。
「マカドゥ、3日待ってくれないか?ハンバーガーを作ってみせるから!」
「ほんとですか!では楽しみにしています。」
「じゃあ、これが必要な食材のレシピになるから食材集めをよろしくね!」
ルークはそう言うとマカドゥにメモを渡した。
「えーと、まずトマト、レタス…なるほどこれらなら集められるかもしれません。早速集めてまいります!」
マカドゥは急いでこの場を後にし、市場へと消えていった。
「さぁ、こっちは店舗の改装に動き出しますか…」
ルークは店舗の改装に向け、まずは店舗の寸法などを測り、図面に書き起こした。前世では多くの設計図や間取り図を見てきたため何故か書くことが出来た。
「よし、とりあえず書けたな。そろそろマカドゥも屋敷に戻ったかな?戻ってハンバーガーの試作でもしようかな…」
ルークは屋敷へと足を向けた。
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