不思議物語。〜遠野の紅子ちゃん〜
猫野 尻尾
第1話:座敷わらし。
不思議物語シリーズ。
「あやかしの森の羅利子拝」に続いての座敷わらしの話で、
「不思議物語。〜彼女が女神って迷惑ですか?〜」の続編でもあります。
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https://kakuyomu.jp/works/16818093078795461198
東北の古い家には「座敷わらし」という妖怪が
座敷または蔵に住む神様とも言われ家人に悪戯をしたり見た者には幸運が訪れる
家に富をもたらすなどの伝承がある。
柳田國男さんの「遠野物語」や「石神問答」などでも知られている。
彼の名前は「
現在25才・・・フリーライター(主に地方の伝承・伝説なんかを記事に
して生計を立てている。
一応イケメンってことにしておこう。
それがきかっけで大翔は彼女と暮らすことになった。
通称小玉ちゃんと呼ばれてる「
帰っている。
別居とか別れたわけじゃないが小玉ちゃんにも女神としての生活があるからね。
一人になった大翔はまた地方の伝承、伝説を求め取材の旅にでようと思った。
それはタフーニュースの中で見た岩手県遠野に現れたと言う「座敷わらし」
旧家、小山田家の倉庫に座敷わらしが今もいるって記事だった。
一部のマスコミが小山田家に訪れて実際座敷わらしに会った者もいたと言う。
大翔はその話に興味を持って岩手県に出かけた。
そのついでに以前訪れたこともある遠野で有名な河童の話も取材して回って
みることにした。
遠野にはカッパ淵と呼ばれる場所がある。
かつてカッパが多く住み人々を驚かしたという伝説が残る場所。
大翔はカッパ伝承を取材して回った。
で、ひととおり遠野を回ってその晩、観光協会で「座敷わらし」に会える
宿として有名な「清風荘」を紹介してもらった。
でも座敷わらしに会えるかどうかはその時の運。
紹介されたのは旅館じゃなくて古民家・・・茅葺屋根の歴史ありそうな
昔の地主さんのお屋敷って感じだった。
大翔は岩手の郷土料理を食べて風呂に入って・・・まったり時間を過ごしたが
寝るまでには座敷わらしには会えなかった。
まあ、信ぴょう性の問題だから期待しないほうがいいと眠りについた。
そしてそれは夜中を過ぎた頃だった。
誰かが部屋の外にいる気配を感じて目を覚ました大翔は気になって障子を
開けて廊下を覗いてみた。
でも廊下には明かりがついてるだけで誰もいない。
でまた部屋に戻って寝ようとしたら大翔が寝ていた布団の枕元に、ひとりの
少女が座っていて大翔を見て
「こんばんは・・・」
って言って三つ指ついてお辞儀した。
「え?」
こんばんは、そういった人物の容姿を見て大翔は腰を抜かしそうになった。
そこに座っていた少女は黒髪で前髪パッツン、着物なんか着ていて、どう見ても
今時の子じゃない・・・まるで市松人形みたいな子だった。
「もしかして・・・座敷わらし?」
「こんばんは・・・私、座敷わらし」
「いたんだ、やっぱり・・・」
「え?座敷わらしって、普通わらしって言うくらいだから子供じゃないの?君、
子供には見えないけど・・・」
「座敷わらしだって徐々にだけど歳は取るの」
「私達も昔に比べたら数がずっと減ったけど・・・今は隠れるようにひっそり
生きてるの・・・だから、まあ絶滅危惧種だね」
「だけど、ずっと暗い蔵の中でカビ臭い場所にいたら干からびちゃいそうで」
「そしたら一部のマスコミに見つかっちゃって、だからこれを機会に思い切って
都会へ出てみたくなったのね」
「私がいた小山田さんちもずいぶん繁栄したからもういいかなって思って」
「で、この古民家にいたら、あなたがやってきて泊まったからこれ幸いと出て
きちゃった」
「出てきちゃったって・・・まじで?」
なんだかな〜このパターン・・・よく似てるよな。
つづく。
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