第12話 『星海の夜』のんびり攻略しつつ雑談していくよ!
これは、『星海の夜』が刀命に助けられる少し前のこと。
ちょうど『星海の夜』が魔物の群れを殲滅したところだ。
"さすが星火ちゃん!"
"さす星"
"夜奈ちゃんの想像魔術も凄かった!"
"海ちんのアシスト相変わらず的確なんだよな"
三人をそれぞれ褒めるコメントが溢れる。
「まぁ、Cランク位楽勝よね」
そんな星火の言葉に
「星火ちゃん、油断はダメだよ。変異種が現れるかもしれないし」
海の言葉に同意するように夜奈が頷く。
「ん」
"Cランク探索者ワイ泣く"
"強く生きろ"
"でもまぁ実際AランクからしたらCランクなんて楽勝だよな"
"海ちゃんの言う通り油断が命取りになるけど、星火ちゃんも特に油断してる訳でも無いんよな"
「分かってるわよ。にしても、さっきからなんか魔物の数が少なくないかしら?」
「ん、少ない」
不思議そうな表情で首を傾げる星火の問いに、肯定する夜奈。
「んー、でも変異種の気配はしないけどな?もしかして、僕達以外にも高ランクの人が居たのかな?」
「それしか考えられないわよね」
そう言いながら歩き始める三人。もちろん全員が警戒を怠っていない。
暫く、コメントと話しながら歩き続ける三人だが、魔物の数があまりにも少ないため異変だと思いダンジョンを出ることにした。
「ん、ゴブリン」
少し険しい声で夜奈がそう言って指をさす。その言葉に二人が臨戦態勢に移行しつつ目を向けると、そこには1匹のゴブリン。
"めちゃくちゃ久しぶりの魔物やん"
"なんだゴブリンか、楽勝じゃん"
"これはゴブリンも終わったな"
"合掌"
コメントはゴブリンかって感じの雰囲気だが、それとは違い3人の表情はとても険しい。
「2人とも...」
星火がそう尋ねるが2人から返ってきた答えは
「目視するまで気付かなかった」
「同じく」
「...アタシが油断していたわけではなさそうね。かと言って安心出来るわけじゃないけど...」
その数分後、『星海の夜』が超越種に全滅させられそうになったところで刀命に助けられる。
その光景は、あまりにも衝撃的であった。それ故、SNSですぐに拡散され刀命を特定しようと躍起になる人が大勢いた。
さらにAランク探索者が3人がかりでも適わなかった相手を瞬殺したため、コイツがSSランクなのでは?と言われているところに本人からのSSランクであるとのカミングアウト。
信じない者もいたが、前者の光景、更には日本一位の探索者"神崎 颯"がSNSにて自分に、『あのゴブリンの討伐は不可能である。』と言ったこと。
そして、世界中の大多数が『この男こそがSSランク探索者である』と信じるに値する出来事があった。
セリア・アーシェリア
やはり、月夜様は最強の探索者です!
助けられた3人が羨ましいです...私がピンチになったら月夜様は助けに来てくれますか?
月夜
当たり前だろ。大切な友達なんだし
セリア・アーシェリア
本当ですか!?嬉しいです!!あと、今日の月夜様もとてもかっこ良かったです!
月夜
ありがとさん。近々また配信するから見に来てくれると嬉しい
セリア・アーシェリア
はい!絶対に見に行きます!!楽しみに待ってますね!
こんなやり取りが、旧ツ○ッターで行わたためである。
たった一晩にして、世界中から脚光を浴びることになった刀命。そのため、そのことを妬む人達からの誹謗中傷なども相次いでいるが本人には全く効いていない。
しかし、予想外の出来事があった。
セリア、星火、海、夜奈が刀命に何らかの特別な感情を持っているのは明らかだが、それに対しての炎上があまりにも少ないのだ。
その理由は何故か?
それは、刀命の今までの投稿からただの善良なオタクであったことと、残念なシスコンでもあると知られたからである。
そう、オタク達に仲間だと認識され、1人のオタクが『妹を下さい』とSNSで投稿したところ刀命が投稿に気付き、乗り込んできて、オタク対刀命のプロレスが始待ったのだ。
その結果、いじられキャラとして確立されたのもあまり炎上しなかった理由でもある。
そして、翌日刀命のチャンネルにて配信が始まろうとしていた。
『【雑談】SSランク探索者が質問に答える。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます