コンティニュー

桂木 京

コンティニュー


44歳の夏、俺は殺された。




家と職場を往復する毎日。

彼女ができ、別れまたできる、そんな生活を繰り返すうちに、もう44。

結婚適齢期などとうに過ぎ、もう独身貴族へ一直線だった俺。


そこそこモテたし、人当たりも良い方だと思ってたから、別に結婚などしなくてもいいかと思っていた。

自分のしたいことをして、食べたいものを食べて、仕事でそれなりに金を稼ぐ。

そんな生活に満足していた、ある日のことだった。


気の合う仲間たちでの飲み会が終わり、少し飲み過ぎた俺は風に当たって酔いを醒まそうと、普段は電車で帰るところ、一駅分歩いて移動することにした。


それが間違いだった。


深夜の道。

職場から近い飲み屋でいつも飲んでいるが、閉店する頃には近くの道は人通りが少ない。

こんな時間に歩いてるのは、俺たちのような酒好きくらいのものだ。


酒好きくらいのはずだった。


そんな路上で、俺は背後から刺された。


何故?

そんなことを考える間もなく、俺の意識は遠のいていった……。




―――――――――――――――――





気が付いた俺は、今まで来たことのもないような、大きな役所のような場所にいた。


「どこだ? ここ……」


辺りを見回すが、全く記憶にない。

今までの人生で、訪れたことの無い場所である。


「ってか俺……生きてたのか?」


それよりも驚いたのは、俺自身がこうして生きていたことだ。

背中に感じる激痛、喉を急上昇してくる、血の味……。

少しずつ動かなくなる身体。

そのどれもが鮮明に思い出された。


「死んだと思ってたのに……。」


もう、何が何だか分からなかった。

そんな俺のところに、一人のスーツの男が歩み寄る。


「新規の方ですね? こちらへどうぞ。」


「え? 新規?」


男の話している言葉の意味も分からないまま、俺は言われるままその男についていった……。


【コンティニュー受付】


俺の目に飛び込んできた文字。

俺はその文字の意味が全く分からなかった。

既に数人並んでいて、喜んで去っていく人、複雑な表情で去っていく人など、その表情は様々だった。


「あの……ここは何をするところ……」


「あぁ、詳しくは担当の者から説明がありますので。」


もう、何度も同じことを聞かれてうんざりしていると言った様子の男は、俺を列の最後尾に並ばせると、足早に去って行った。


「なんだよ、アイツ……。」


まるで役所の塩対応だ。

何処の街だと掲示物を探すも、そういった類の物は何一つ貼られていない。

と言うよりも、壁も柱も、真っ白。

本当に、こんな役所は見たことが無かった。



「はい、次の方どうぞ~」


初老の係が、窓口で俺のことを呼ぶ。


「俺?」


「はい、あなたです。こちらに座っていただけますか?」


俺は、訳も分からないまま、椅子に座った。



「この度は、誠にご愁傷様でございました……。」


椅子に座ると、まず担当が深々と頭を下げて挨拶をする。


「え?」


「残念な亡くなり方でした。さぞかし不本意でしたでしょう……。」


俺は、やはり死んでいたのか?


「え? 俺……死んだの?」


「あぁ……確かにあの状況では、ねぇ……。」


何やら俺に関する資料を見ながら、うんうんと担当は頷く。

そして、


「ご希望があれば、最後の瞬間を確認できますが……」


と、俺にタブレットを差し出してきた。


「もちろん見る。」


自分がどうなったかを知りたい。

もし、最期の記憶が確かならば、俺は誰に、どうやって殺されたのか。

それが分かれば、とりあえずはすっきりするというものだ。


「最期が皆、綺麗なものとは限りませんよ?」


「早く見せてくれ」


俺が担当に詰め寄ると、担当は小さなため息を吐き、言う。


「後悔しないでくださいよ……。」


担当が自分の手元のパソコンを操作すると、俺が受け取ったタブレットに映像が流れ始めた。





「……見なきゃよかった……。」


俺の最期は衝撃的だった。

死に方がではない、俺の人生を終わらせた人物が衝撃的だったのだ。


「俺を殺したの……通り魔とかじゃなくて、元カノかよ……」


俺が2番目に付き合った彼女。

比較的交際期間は長く、4年も一緒にいた。

別れた原因は良く分からない。

一方的に別れを切り出され、渋る俺を置いて同棲していたアパートを出ていき、音信不通になった。


俺にとっては『謎の女』だったのだ。


「……はい、切り替えましょうか。」


ショックで呆然としている俺に、担当は笑顔で言う。


「最期を見た人は、その最期を踏まえた上での『コンティニュー』も可能です。詳しくはタブレットを見てください。」


俺は失意のまま、タブレットを見る。

・綺麗さっぱりコンティニュー

・強くてニューゲーム

・直前からコンティニュー

タブレットには、まるでゲームの画面のように文字が表示されていた。


「なんだ、これは?」


「はい、『人生コンティニュー』のメニューです。」


担当は淡々と俺の質問に答えた。


「綺麗さっぱりは、文字通り記憶や能力などを引き継ぐことなく最初から人生をやり直す手段です。強くてニューゲームは、記憶・能力を引き継いで最初から人生をやり直します。直前からコンティニューは、直前の人生に不満がない場合に使います。亡くなる1日前に戻ります。」


「まるでゲームじゃないか……。」


こんな機能があればいいのにな、と思っていた人生の機能が、本当にあったとは。

かつてのゲーム仲間に教えてやりたい気分だった。


「じゃ、『強くてニューゲーム』で。」


それなら、俺の選ぶ選択肢は決まっていた。


「あ、そうそう、コンティニュー回数は、2回です。慎重に選ぶことをお勧めしますよ。」


即答した俺に、担当は少し慌てて注意したが、俺の気持ちは揺らがなかった。


「強くてニューゲームで。」


「……わかりました。では、手続きを終わります。後ろの白い扉の中に入れば、新しい人生の始まりですので……。」


俺は、担当の話を聞き終わらないうちに、ドアを開けた。

その背後には、担当の声。


「良いセカンドライフを~」




―――――――――――――――




扉をくぐった瞬間、俺は生まれた。


真っ白で、視界には何も映らない。

それでも、かすかに聞こえるその声が、両親のものによく似て聞こえたので俺は生まれ変わったんだと確信した。


生まれてまず最初に確認したこと。

それは、前の人生の記憶が残っているか。

自分が死んだ経緯、これまでの人生……。

ゆっくりと思い出していく。


そして、次に両親の顔……。


間近に、涙を流す母の顔がうっすらぼんやりと見える。


うん、同じだ。

俺はこの時、生まれ変わったと確信した。


(0歳からやり直しと言うのが少々気怠いが……まぁ、楽しませてもらおう。)


俺は叫び出したい衝動を必死にこらえた。

言葉はとりあえず……1歳になるまでは我慢しておこう。

出来るだけ自然に生きよう、そう決意した。





―――――――――――――――



それからは、長く気怠い20年だった。

もう一度人生をやり直せる。

それはとてつもなく羨ましい、夢のようなことだと思っていたが、実際は違った。


『強くてニューゲーム』を選択してしまったばっかりに、20年もの歳月はただいたずらに長く感じるだけだった。

他の子と学力・運動能力を合わせなければいけないという気苦労。

他の子の生育に合わせなければならない気苦労はなかなかのものだった。


生まれ変わって最初にしなければならないと思っていたこと。

それは前の人生のことを忘れてしまわないように、文字が書ける年頃になった時点で、書き留めることだった。


こいつと関わるとろくなことがない。

あの子と関わると変なことに巻き込まれる。

あのグループに加わるとろくなことをしない。


これまでの経験をフル稼働して、自分にメリットの無かったコミュニティーとの関りを極力避けた。

そのお陰か、今までにない未来の選択肢が生まれた。

今までと違う進路を選べば、俺を殺した『アイツ』とも会わないはず。

もともと地元で暮らしたい願望はあったので、俺は地元で自分が前の人生で選ばなかった職種を選ぶことにした。


驚くほど平穏な人生。

それなりにモテたし、前職と比べても給料が良かった。

だから、前の人生より派手に遊べた。


(最高だな、強くてニューゲーム!)


結局、今回の人生でも俺は40を過ぎるまで特定の交際相手を作らず、その日の付き合いを繰り返しては遊び惚けていた。

前の人生と同じ。

それでも良かった。


前の人生も殺されたこと以外に特に悔いはなかったし、結婚はまだかと周囲に言われても特に気にしてこなかった。

両親も、俺の人生に口出しすることはなかった。

独立して一人で身を立てたら、好きに生きるのもまた人生。

両親はそんな考えの持ち主だったからだ。



「俺……社会人になってからの人生、前と何も変わってないけど、別にいいや。結局同じような人生を送るってことは、それが俺に一番合った生き方ってことだろ。」


もともと深く物事を考えるのが嫌いだった俺。

自分の人生をどう変えれば何が変わるなど、考えるのも煩わしかった。


日々楽しければそれでいい。

そう、思っていた。



この人生で、一人だけ結婚を考えた女性がいた。


俺のこの破天荒な性格を受け入れ、遊び惚ける俺のことをただひたすら待つ

、そんな人だった。


同棲こそしなかったものの、その女性――かおりのアパートに俺はよく入り浸った。

時々、おふくろの味が食べたくなる。

そんなときに、かおりの料理は俺の胃袋を見事に掴んだのだ。


俺のアパートには来なかった。

いつも深夜まで飲んで遊んで、他の女を連れ帰っているのを知っていたから。

そもそも、俺とかおりは付き合っていたのかと言うと、そうではなかったのかも知れない。


お互いに『好きだ』という言葉を相手に言ったことはないし、一緒に外出したりもしなかった。


俺が行きたいときにかおりの家に行き、かおりはそれを待ち、のんびりとした時間を過ごすだけ。


だから、他の女を家に連れ込んでも罪悪感は無かった。


それでも自然と足がかおりの家に向いてしまうその理由はやはり、



『かおりの側が一番居心地が良かったから』だろう。


そんな、かおりと言う女性がいながら、俺は前の人生と変わらない、遊び惚けてやりたいことをやる時間を満喫していた。


かおりからの誘いを断り、メッセージも無視して、俺はいま一番楽しい事を選んだ。

毎晩、女を部屋に上げては飲み、遊び狂う毎日を送った。

かおりの部屋に行くのは、運悪く誰も誘えなかったときだけ。

言ってみれば、暇つぶしだ。


かおりはそんな暇つぶしにちょうど良かった。

何もする気が無くだらだらしていれば、それに寄り添い、夕方になれば食事を用意してくれる。

風呂も入れておいてくれるし、晩酌の相手もしてくれる。


そして、俺の欲望のはけ口になることにさえ、拒否反応を示さなかった。


俺はこの時はまだ、かおりのことは『都合のいい女』だと思っていた。


そんなある日。

かおりから早朝にメッセージが来た。


俺のことをいつも気にかけているかおりは、俺が寝ているかもしれない時間にメッセージを送ってきたことはない。


珍しいこともあるものだ、とスマホの画面を見ると……



『子供、出来た。』


そう、一言だけ送られていた。



前の人生でも、よくあったことだ。

遊んでた女が妊娠して、その度に金を渡し清算する。

今回もそれでいいか、と20万ほど封筒に入れ、俺はかおりのアパートへ向かう。


久しぶりの来訪に、かおりの顔は明るくなった。

これから何を言われるのかと言うことも知らずに、鼻歌混じりで俺の晩酌の準備を始める。

そんなかおりに、俺は言う。


「子供、出来たんだ。」


「うん。5週目だって。」


「そっか……。」


背中が嬉しそう。

そんな言葉、表現だけだろうと思っていたが、まさか本当に背中が嬉しそうに見えるとは思わなかった。


「……おろしてくれないか?」


「え……」


そんなかおりをどん底に突き落とすような言葉を、俺は迷うことなく香りに放った。

前の人生から、ずっとこうしてきた俺に、罪悪感も抵抗もなかった。


「私……産みたい。」


珍しく、かおりが俺の言うことに反発した。


「俺は認知しない。」


「私と、あなたの子だよ?」


「俺は、おろして欲しい……。」


自分がどんなに酷いことを言っているのか、まだ自覚はなかった。

その時の俺は、今この時に子供が出来ると『都合が悪い』としか思っていなかった。


「ごめんなさい……いくらあなたの頼みでも、私……聞けない。子供は産みたい……!」


普段はのんびりしているかおりの、凛とした強い表情。

それが俺を苛立たせた。


「俺は、子供なんて要らねぇよ……。」



酷いことを言った。

一瞬胸が痛んだが、俺は意地になってかおりの部屋を飛び出した。


その瞬間、俺は何かにぶつかり……。



一瞬で、意識が遠のいていった。





――――――――――――――――




「……マジかよ。」


気が付くと、俺はいつぞやの役所にいた。

どうやら、その後俺は死んでしまったらしい。


「俺の人生……2回目も空っぽだったなぁ……。」


長かった人生を振り返る。

不思議なもので、大人になるまでに長い年月を費やしたのに、振り返ってみると短く感じる。

人生とは、そう言うものなのだろう。


その時は良くても、振り返ると大体の者は後悔する。


楽しんだ外出も、『あの時ここに寄れば良かったかな』とか、成功した告白も、『あの時こんな言葉が言えていれば、もっと格好良かったかな』などと後悔することもある。


振り返るということは、多からず後悔をすることなのかもしれない。


「さぁて、次の人生は何をしようかな……子供からやり直すのは、少し面倒だな……。」


次の人生は、もう少しましになるだろうか?


俺は、再び窓口へと向かった。


「おやおや、久しぶりですねぇ。」


窓口では、俺の2回目の人生をナビゲートしてくれた担当が待っていた。


「まさか、また寿命を全うできないままここに来るなんて……。あなたも大概、不運ですよね。」


「……うるせぇな。ほら、早く俺の最期を見せろ。」


訳も分からないまま死んだことに、俺は内心苛立っていた。

のらりくらりと話す担当に、不快感を露わにする。


「はいはい、じゃぁ映しますよ~」


そんな俺の不快感を感じながらも、担当は慌てることなく俺の最期をタブレットに映した。


「……なんだ、コレ……。」


俺がかおりに中絶するよう言い放ち、部屋の外に出る。

すると、偶然かおりの部屋に荷物を届けに来た配達員とぶつかり、俺は手近な柵に手をかける。


……と、老朽化で腐食した策が崩れ、俺もろとも落ちていく。


「不運そのものじゃねぇか。」


毎度毎度ついてない。

俺は頭を抱えた。



「そうそう、あなたに言っておかなければならないことが……。」


不意に、担当が俺に言う。


「なんだよ。」


「そんな目で睨まないで……。実はですね、あなたの『コンティニューの残り回数』なんですけどね、『あと1回』なんですよ。ですから、次のコンティニューはよ~く考えてくださいね。」


「何だと……!?」


突然告げられた事実。

俺は沸々と怒りが込み上げてくるのを感じ、担当の小綺麗なスーツの襟元を掴み上げた。


「そんなの聞いてねぇぞ! 知ってたなら初めから言えってんだ!!」


「ちょっと、乱暴はやめてくださいよ! そもそも、人生は一度きりだと思ってたんでしょう? 2度もやり直せるだけ感謝して欲しいですよ。」


担当は俺の手を振りほどくと、スーツを整える。


「それにね、コンティニュー回数は人生の『徳』の積み重ねで決まるんですから、死んでみないと分からないのですよ。そして、あなたの徳の積み重ねでは、あと1回のコンティニューが限度、となったわけです。次は成仏しますよ。」


『徳』と言われると何も言い返せない。

それは、俺が一番良く分かっていた。



さっさと次の人生に。

そう思い、俺は思いとどまった。


「なぁ……死んだ後のことは見られないのか?」


「見られますよ? お葬式とかですか?」


「あぁ……まぁ。」


何故か、俺はかおりのその後が気になっていた。


「何日先まで見られる?」


「まぁ……お葬式まででしょうか。」


「それでいい。見せてくれ。」


俺は、自分の葬式の様子を見せてもらった。

2度目の人生では、父が早くに亡くなり、母とは険悪なままだった。

きっと母は、葬式などあげないだろうな、そう思っていたのだが……。


「……マジかよ。」


俺の棺の横で、母はわんわん泣いていた。

係員に身体を支えられるまで、俺の棺から離れようとしなかったのだ。


そして……


母の隣で同じように泣きじゃくる女性がひとり。


かおりだった。



「かおり……俺、あんなに酷いことを言ったのに。」


本当なら、死んで清々したとかいい気味だと罵られて当然のことをした俺。

そんな俺の死を、かおりは心から悲しんでいた。


「声は……聞けねぇよな?」


「はい、そこまではサービス出来ません。」


「あの女、なんて言ってたかだけでも教えてくれねぇか?」


「特別ですよ? いつまでも、あなたのことを愛しています、ですって。」



担当の言葉に、俺は胸が熱くなった。

こんなにも人に愛されたことがあっただろうか?

もっと真摯にかおりと向き合っていたら、もっとかおりを大切にしていたら……。


後悔しかない。


「……決めたぜ。コンティニューする。」


俺は、覚悟を決めた。


「はい、最後の一回ですから、よく考えてくださいね。」


「大丈夫。もう決まった。」


俺は、担当からタブレットを受け取り、設定をする。


「記憶は無くていい。ただ……かおりのもとに生まれ変わりたい。たくさんの愛をくれた彼女に、俺は少しでも恩返ししたいんだ。」


設定が終わり、俺は担当にタブレットを渡す。

担当は内容を見て、俺に問う。


「本当に良いんですか? この設定だと、彼女の記憶が一切なくなるということですよ?」


「あぁ、構わない。」


今の俺は、かおりの隣に立つ資格はない。

それでも俺は、かおりにはずっと笑っていて欲しい。


「それに、彼女が子供を産むって決まったわけでは……。あなた、おろして欲しいって言ったんでしょう?」


「……あぁ。その時はその時だ。俺の徳が足りなかったってことで、諦めるさ。」


俺の覚悟に担当も納得したのか、俺を扉へと促した。


俺は、迷うことなく扉を開けた……。





――――――――――――――――――




役所では、担当が不器用な男の行く末を見守っていた。


「まったく、不器用この上ない方でしたねぇ……。」


覗き込むタブレットには、二人の女性が映っている。

かおりと、男の母。


「もう少しよ、頑張って!!」


男の母が、声をからしながらかおりのことを応援する。

そして、4時間後……。


ひとりの男の子が、無事誕生した。


「頑張ったわね……!」


男の母は、涙と汗で顔をぐしゃぐしゃにしながらかおりを労う。

助産師が、かおりのもとに歩み寄る。


「元気な男の子ですよ……。」


その腕には、小さな小さな男の子が抱かれている。


「……あの人に、そっくり……。」


かおりは、満面の笑みを浮かべると、生まれたばかりの我が子を優しく、そしてしっかりと抱き締めた。



「さぁ、今度は幸せな人生になると良いですねぇ……。」



担当は、生まれたばかりの男の子にそう言うと、そっとタブレットの電源を切った。


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