第17話
二人は角を曲がりさらに細い路地に入る、街灯も無いその路地に入ると両脇の民家からもれる灯りが辛うじて二人を照らした。自然と息が合った二人は共に駆けだした。途中、ネコがサナの腕から抜け出し民家の庭へと消えていった。
「ああ、ネコちゃん」
ネコの行く先を気にしたのかサナが立ち止まりかけるが、テオがサナの手を引く。
「ネコさんは賢いコなので、大丈夫です!」
テオが「行きましょう」と言うと同時、二人は再び路地を駆け始めた。
狭い路地の先、二人の行く先には別の通りが開けており、その通りを横切る車が見えた。路地を半分ほど走ったあたりで背後から「チッ」と声が聞こえる、テオが後ろを見るとハンチング帽の男が曲がって来た所であった。
「急いで!」
先を行くテオの手に力が入る。次の瞬間、ドドッドドッという音が聞こえた。音に違和を覚えたテオが振り向きハンチング帽の男を見ると、男は器用にも低い姿勢で速度を上げ二人に迫っていた。
「サナさん!先に!」テオは掴んでいたサナの腕を押しやるように前に促す。
「テオ君は!?」
「いいから! 早く!」
テオはサナが先を行くことを確認すると、自らは止まらんと足に力を籠める、勢いそのまま後ろを向いた。背後からサナの駆けるカツカツというヒールの音が聞こえた。
ハンチング帽の男は両足のみならず両の手をもって地面を蹴ると加速した。テオは男の進行方向を窺いながら、腰を落とし重心を下げる。テオと男が互いに手を伸ばせば触れられそうな距離となった時、男の顔が民家から漏れる灯りを拾った。テオは男の見開いた目に釘付けになる。自然とこめかみが力むと次の瞬間、テオは全身が打ち付けられた衝撃と共に視界が歪んだ。
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