『短歌の秋』投稿作品~濃紺濃淡濃艶~

尾岡れき@猫部

コトコトと恋し熟して何年目? 君を目で追い 焦げては薫る

コトコトと

恋しじゅくして

何年目?

君を目で追い

焦げては薫る





________________


好きな人っている?

って脳天気に聞かれた。


今はいないって、答える。

「そっか」って残念そうに呟く君は「僕も」ってクスッと笑う。


ウソつき。

君があの子のことを好きなのは、知っているよ。

それがかなわない恋と、諦めたことも。



好きって、言葉で当てはめるには軽すぎる。

こちとら、何年想い続けているのか、知らないでしょ?



――ばぁかっ! 好きなんて言葉じゃ足りないよ!

心の中で響かせたら。

なおさら、想いが濃くなっていくことを自覚しながら。



――ばぁかっ! 君が好きなんだよ、ばぁかっ!


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