第58話

一通り荷物を降ろして車も施錠し、まだ夕飯には早いということで辺りを散策することにした。



川の周りは森に囲われており、辺りは川のせせらぎと鳥のさえずり、あとは虫の声しか聞こえるものはない。



「いいところだね」



功太の隣で歩きながら麗が顔を上げる。



「うん。俺も初めて来たけど、いいところだね」



川に沿って歩いていると、砂利に足をとられて麗が大きく傾いた。



「わっ」



寸でのところで功太が腕を掴んで支えたので転ばずに済んだ。

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