第45話

その時の麗の言い分が、



「だって、拾った猫を病院に連れていきたいから場所を教えてって言われて…解りにくいから車に一緒に乗ってって。見た目も紳士的だったし…」



拾った猫を病院に連れてくなんて、すごくいい人だと思ったの、であった。



そんな状況で急いでるはずの人が、なんでわざわざカフェの入口でメニュー見てる女の子を狙って声掛けてくんのよ、と美緒に諭され、麗はやっとナンパだったのかと気づいたのだった。



人を見る目はあるし善人か悪人かの判断も人並みにできるのだが、いかんせん麗は素直過ぎる。



洞察力の鋭い美緒はこの数ヵ月で麗のその部分に気付き、余計に目が離せなくなったとも言える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る