第37話

辺りはいつの間にか暗くなり、白い満月が海面を照らしていた。



「…でね、一番最初は映画館で―…くしゅんっ」



夜になり、潮風が肌寒く感じられた。



「…涼しくなってきたね。そろそろ帰ろうか」



腰を上げた功太の腕を麗が掴んだ。



急に引っ張られる力に驚いて下を見ると、同じく驚いた麗の顔と出会った。

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