第18話

どこからそんな情報を仕入れたのかと愛想笑いをする三瀧とは逆に、クロエは自信満々な顔でキラキラとした瞳を向けている。




「三瀧くんなつかれてるねー」




その様子をひとり楽しんでいる課長に環が本題を投げ掛ける。




「…課長、何故彼女を?」





「ああ、そうそう。僕の友人がこっちで悪霊絡みの事件が頻発しているのを心配して連絡してきてね、クロエちゃんを派遣してくれたんだよ。さっき聞いたらクロエちゃんと二人は面識あるっていうし、二人とも事件続きでクタクタだろうから少しお手伝いしてもらおうと思って」




課長はクロエと三瀧、それから環を順番に見てにっこりと微笑んだ。




「なっ…私は一人でも大丈夫です!」




力不足を指摘されたような気がして、環は思わず声を荒げる。

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