第35話

「彼を殺して本当にそれで満たされると思うのか!?」




目を開けるのもやっとな状況で環は必死に叫ぶ。




「そうよ?死んだ私には復讐の気持ちしかない…モ…ノ…!」




暴風が吹き荒れる中、彼女の体が不自然に痙攣し出した。




と、次の瞬間、




「おぉ、ぉオオぁァア!!」




獣のような叫び声と共に彼女の体はまるで蛾が羽化するように醜く変化した。




ビキビキと音を立て両脇腹からは禍々しい色の長い触手が八本生え、背中からは骨と皮だけの脚が四本伸びている。

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